試合を決めたのは、頼れるアタッカーだった。2024年パリ五輪予選を兼ねたバレーボール男子W杯初日(9月30日、東京・国立代々木競技場第一体育館)、世界ランキング5位の日本は同28位のフィンランドと対戦。苦しみながらも、3―2で勝利を収めた。

 最後の最後まで勝敗の行方はわからなかった。最終第5セットは10―12とリードされた状態で終盤へ。会場内に不穏な空気が立ち込めたが、最後は高橋藍(日体大)が強烈なアタックを決め、白星を引き寄せた。チーム最多の23得点をマークした立役者は、コミュニケーション不足を反省しつつも「今日のような試合ができたのは、本当に自分自身はもうポジティブに捉えている」と気持ちを切り替えた。

 この日は勝負強さだけでなく、華のあるプレーを披露。第2セットの序盤には味方のトスに反応し、人気バレーボール漫画「ハイキュー!!」で木兎光太郎を連想させる背面ショットを繰り出した。普段は練習していない〝芸術技〟だったというが、トスの位置を見て瞬時に判断。「得点につながったので、会場もすごく盛り上がったし、チームの中の雰囲気が上がった。非常に良いプレーだったのかな」と笑みを浮かべた。

 思うような戦いぶりではなかったとはいえ、大事な試合は勝つことに意味がある。「簡単に勝てないところは今日わかったので、それを生かして明日気持ちを切り替えてやっていきたい」。パリ五輪切符奪取へ、チームのキーマンに名乗りを上げる。