〝IQレスラー〟こと桜庭和志(54)が、長男・大世(24)の総合格闘技(MMA)参戦の可能性について口を開いた。自身がプロデュースする10日のグラップリングイベント「QUINTET.4」(横浜アリーナ)で大世は、アテネ&北京五輪柔道男子66キロ級金メダルの内柴正人(45)相手に鮮烈プロデビュー。格闘技界のサラブレッドには、大きな期待がかかっている――。

 プロデビュー戦で父親譲りの強さを見せつけた〝サクジュニア〟は、ヒザ十字固めで内柴に堂々の一本勝ち。だが、父の桜庭は「まだまだですよ! (格闘技を)本格的に始めてから、まだ数か月ですもん」と厳しい言葉を口にする。

 わずか数か月で五輪金メダリストに勝ったのは事実。それでも「今回の武器は三角(絞め)とヒザ十字くらいだったんですよ。ヒザ十字は(練習で)ほかの子から取っているし。まあ、僕はやられないですけどね」と手放しに褒めることはなかった。

 大世は格闘家の所英男が会長を務める「所プラス」などでも練習に参加しており、吸収も早いという。今後の成長にも期待がかかる中、注目されるのは父と同じようにMMAのリングに上がる可能性だ。

 この点について桜庭は「本人の最終的な希望はそれ(MMA)ですよ。だから今、打撃の練習もしているし」と、将来的にオープンフィンガーグローブをはめることを目標に練習に取り組んでいると明かす。

グラップリングでいきなり結果を出した桜庭大世
グラップリングでいきなり結果を出した桜庭大世

 ただし、デビュー時期については「正直、そんな簡単にはいかないと思います」。その根拠として、内柴戦で大世が、自ら寝技に引き込んで下から勝負する形を選択した点を挙げた。「MMAだったら無理でしょ。内柴さんに上からコントロールされて、そのままボコボコにされたら心が折れる。総合とキックと寝技で全く違うし」と指摘する。

 MMAデビューに向けてはまだまだ課題が山積していることから、桜庭は「今はキックと寝技を練習していますけど、それを自分でどれだけミックスさせられるかだと思う。そこは本人のセンス? そうですね。最終決定は本人。でも、僕が見て『まだ無理』と判断したら止めると思います」とした。

 QUINTETの次回大会への大世の参戦も現状では未定。「出たければ、ちゃんと練習しなさいってことなんです。富士山に登るのも、一気に頂上に行くわけじゃない。一歩ずつ上がっていけばいい」と、静かに成長を見守るつもりだ。

 また、約2年ぶりに復活したQUINTETの今後について、桜庭は「世界でグラップリングの人口が増えているから、世界大会をやりたいんですよね。各地域で予選して、決勝を日本でっていうのをやりたいんです」。最後に自身の現状を聞くと、「杉浦軍がなくなって寂しい…」と肩を落とした。