レースのポイントは? 陸上の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)は、26日に女子マラソンが行われる。日本勢は松田瑞生(28)、加世田梨花(24=ともにダイハツ)、佐藤早也伽(29=積水化学)の3選手が出場。2004年アテネ五輪金メダルの野口みずき氏(45)は「攻めの姿勢」が勝負の行方を左右するとの見方を示した。

 日本勢は2005年に野口氏がベルリンマラソンで日本記録(2時間19分12秒)を樹立して以降、2時間20分の壁を破ったのは新谷仁美(35=積水化学)のみ。野口氏が「世界のスタンダードは(2時間)18分、17分というのが普通になってきている」と話すように、海外勢との差は広がっているのが現状だ。しかし、世界選手権はタイムよりも順位が重視されるレース。展開によっては、上位進出の可能性もある中で「レースを支配できるか」がポイントになるという。

 現役時代の野口氏は、体調に問題がなければ先頭でレースを進めるケースがほとんどだった。「スパートするタイミングを見計らうというか、スピードではアフリカ勢が圧倒的な力を持っているので、ラストスパートの勝負は無理だと当時から思っていた。接触がないというメリットもあるし、真ん中や後ろにいたりすると、他の選手のリズムに負けそうになるので、先頭を走って自分のリズムで走るようにしていた」。守りに入らず、積極的な走りでレースをけん引し、数々のタイトルを手にしてきたのだ。

 さらに近年はトラックレースのようなペースの上げ下げが、当たり前のように繰り広げられる。サバイバルの厳しさが増したからこそ「瞬時に対応できるような瞬発的な判断力、そして体も動けるようにしないといけない」。最後まで自分のペースを貫き、勝負の場面を的確に判断することがカギになるのだ。

 3選手は24年パリ五輪日本代表選考会となる10月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)にも参戦する。「自分よりも強い人たちのことはあんまり考えずに、とにかくどこまでいけるか、本当に100%の力を発揮するように、どんどん先頭の方で戦ってほしい。先頭で走って、自分よりも強い人たちはどういう走りをするのか、その人たちと一緒に走って得るものは大きいとは思うので、積極的に自分は負けないという気持ちで走ってほしい」と熱烈エール。異例とも言える短いスパンでの連戦を前に、積極的な走りで爪痕を残すことはできるか。