検察はなぜ負け戦に突入するのか――。1966年に静岡で一家4人を殺害したとして、死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)の再審公判で、検察側は有罪立証を行う構え。再審決定時点で袴田さんの無罪はほぼ確実視されるが、検察が抵抗する理由は…。
事件の裁判では、決定的証拠とされたみそタンクから発見された5点の衣類に捏造疑惑が出たことが再審につながった。死刑確定後の再審では過去4件、いずれも検察側が控訴することなく無罪判決が確定している。
25日、日本外国特派員協会で袴田さんの姉のひで子さんと弁護団事務局長の小川秀世弁護士が会見し、小川氏は「検察官が再審で有罪の立証をすることは考えていませんでした。(論点となる衣類は)再審請求の時に再三議論をして、また蒸し返しになる。許されるべきではないと主張したが、検察側は『意見の違い』と反論した」とあきれた。
なぜ検察は争うのか。小川氏は「有罪はもう無理でも、せめて捏造だということは認めさせたくない目的がある」と証拠捏造のレッテルだけは貼られたくないと推測。さらに「嫌な話だが、時間を稼いで、それこそひで子さんや巌さんが倒れて、皆さんがこの事件のことに関心を持たなくなっていることを期待しているんじゃないか」と話した。
再審で判決が出るまでは1~2年を要し、検察が判決を不服として、最高裁まで争えば、さらに数年もかかると見込まれる。時間稼ぎをして、うやむやのままに幕引きを図りたいのか…。











