岸田文雄首相(65)は21日、第211通常国会の閉会日にあたって開いた会見で「成果と今後の課題」について言及した。

 物価高の影響などを受けて国民生活がひっ迫している中、岸田首相は日本経済の現状について「前向きな動きがあります。デフレ経済脱却、賃上げが当たり前となる経済に向けた道筋を着実なものとします」とした。

 大きなトラブルが噴出したマイナンバーに関しては「保険証の全面廃止は、国民の不安を払拭する措置の完了が大前提」と強調。今後はトラブル再発防止のために、今秋をメドに氏名・住所・性別・生年月日の4つの情報をすべて照合する手続きに統一するなど、マイナンバー登録に関する政省令の見直しを行うと表明した。

 そんな中、政府は次世代半導体のための工場を北海道千歳市に「ラピタス」を建設。補助金は3300億円を支給する。

 岸田首相は次世代半導体のために巨額の公費を投じる動機をこう説明した。

「次世代半導体はAIや自動運転など次世代のデジタル技術を支えるキーテクノロジー(競争優位性を働かせる技術)であると考えている。産業競争力強化の観点だけではなくして、GX(グリーントラストフォーメーション=温室効果ガスを発生させる化石燃料から太陽光発電などのグリーンエネルギー中心へと転換し、経済社会システム全体を変革する取り組みのこと)、経済安全保障のためにも最先端の半導体技術の産業基盤を国内に確保することが不可欠であると考えています」

 しかし半導体政策は政府が主導して失敗した過去がある。岸田首相は「過去に半導体政策においては、研究開発資源に注力をしましたが、量産化地点が不十分であったと指摘された。反省すべき点が多かった」とした上で「ラピタス社の半導体プロジェクトは、米国や欧州等との国際連携のもとで量産化まで見据えたものとなっています。進捗を十分に確認しながら、過去の反省もしっかり踏まえて政府として適切にサポートしていきたいと思っています」と意気込みを語った。