テニスの4大大会「全仏オープン」の女子ダブルスで加藤未唯(ザイマックス)とアルディラ・スーチャディ(インドネシア)組が失格となった問題で、日本テニス協会は幕引きする方針を示す一方で海外では今回の騒動を問題視する動きが拡大している。

 今回の問題は、試合途中に加藤が相手コートへ向けて返した球がボールガールに直撃したことが発端。審判は警告を発しながら、対戦相手のマリエ・ブズコバ(チェコ)とサラ・ソリベストルモ(スペイン)が抗議した結果、裁定が変わって失格の厳罰処分が下された。

 加藤は大会側に処分を不服として提訴したが、あえなく却下。世界のテニス界では大会側の処分を批判する声が続出する一方で、日本テニス協会は土橋登志久専務理事の名で声明を出して「大会側が下した判断については、現行のルールの中では従わざるを得ないと感じています」と今回の騒動を幕引きとする方針を強調した。

 しかし、協会の及び腰とは対照的に世界では騒動の余波が拡大している。世界各国の国際的な関心事を取り上げる海外メディア「bnnネットワーク」は今回の問題を特集。「全仏オープンでの事件を受け、賞金とランキングポイントの回復を求めた加藤の訴えは却下された。事件の偶然の性質とテニスコミュニティーからの広範な支援にもかかわらず、大会主催者は失格の決定を支持した」と経緯を伝えた。

 その上で「この事件は、テニスのルールと罰則についての重要な議論を引き起こした。そのような状況における慎重な検討と公平の必要性を浮き彫りにした」と波紋が広がっている様子を強調した。

 米メディア「エッセンシャリースポーツ」も大会側の判断を疑問視。「(大会責任者の)モレスモの立場は、こうした状況の複雑さと、大会が判断を下す際に直面する課題を浮き彫りにしている。この事件は、スポーツの誠実さを守る上での警戒心、公平性を思い出させるものとなった。モレスモの視点はテニスコミュニティー内の多様な視点に光を当て、一貫した意思決定と感情的な考慮についての議論を引き起こしている」と騒動はまだまだ収束していないと指摘した。

 加藤問題はまだ何も解決していないことは確かだ。