母からの発奮材料とは――。格闘技イベント「RIZIN.42」(6日、東京・有明アリーナ)で、山本アーセン(26)が伊藤裕樹(26)に快勝し、涙の復活を果たした。
ケガから約2年9か月ぶりの復帰戦。母の山本美憂がリングサイドで見守る中、レスリング一家の血が爆発した。1ラウンド(R)はストライカーの伊藤を相手にタックルにいくが、決まらずにコーナーでもつれる展開となった。アーセンはバックを取って伊藤をコントロールし、コーナーに押し込んでヒザ蹴りを連発。さらに右ストレートから鋭いタックルで、伊藤をマットに叩きつけた。
2Rもダースチョークから伊藤のバックを取ると、豪快なバックドロップだ。右目下から出血するアクシデントにも負けず、巧みな体さばきで相手をコントロールし続けた。3Rでは起死回生を狙った伊藤のギロチンを決めさせず、最後まで攻めまくった。試合終了と同時に、勝利を確信した美憂は号泣。判定は3―0で勝利が告げられると、アーセンも涙が止まらず、リング上では愛と平和の意義を訴えた。
劇的な復活には、ツイッターで「アーセン」が何とトレンド1位に。格闘家では平本蓮が「アーセン、最高」とたたえ、青木真也までも「アーセンを信じて育ててきて良かった。感無量」とツイートした。
試合後のアーセンは「やっと、ゆっくり眠れるような気がする。ちょっとした呪いが解けた気がする。復帰するまで2年9か月がつらかった。仲間がいなかったら、変なことやってんのかな。仲間、家族全員に感謝します」と振り返った。復帰まで何が一番つらかったのか。「生きてる理由がわからなかった。普通に生きて、目標がないことがつらかった。ただ、単にジムで生きていき、それが当たり前になることがつらかった」と苦悩した胸中を明かした。
それでも、家族や仲間に支えられ、復帰まで気持ちをつなげた。試合前には母親の美憂からは「アンタ今回、勝てば私を超えられる」と言われ、「うれしかった。おっ! やってやるよと思った。すごく気合入った」。この言葉も大きな発奮材料になったという。
一方、青木のツイートには「それだったら、俺に直接伝えてくれ。愛情を直接伝えられたい人間だから」と苦笑いで答えていた。













