新日本プロレス5月3日福岡国際センター大会で初防衛戦に臨むIWGP世界ヘビー級王者のSANADA(35)が、挑戦者・高橋ヒロム(33)の〝夢〟を一刀両断した。IWGPジュニアヘビー級王座との同時戴冠という野望に突き進むヒロムの発言が、ジュニアという階級の価値を落としていると指摘。本来あるべき「階級の壁」の理想形とは――。

 SANADAが福岡決戦で迎え撃つ挑戦者・ヒロムは、27日広島大会で金丸義信とのジュニア王座V4戦で激勝。シリーズで2試合のタイトルマッチという強行日程の第一段階をクリアし、史上初の2階級同時制覇に王手をかけた。

 この試合で「Just 5 Guys」の金丸のセコンドについていたSANADAは「本当に感動しました」と絶賛した。しかし、ヒロムが勝因として「夢をかなえようとする思いの差だ」とマイクアピールしたことに対しては違和感を覚えたと明かす。

「あれだけ素晴らしい試合が今後も続いたら、ヘビー級の俺たちだって嫉妬すると思いますよ。なのに、その後であの発言しちゃうと、逆に切なくなりますよね。ジュニアをないがしろにしているというか」

 ジュニアのベルトを巻きながらヘビー級の最高峰王座を手に入れる。ヒロムが長年にわたって公言してきた「夢」に対し、SANADAは「個人の夢は尊重しますけど、ジュニアとヘビーの2冠ってあんまりピンと来ないんですよね。ロマンを感じないというか。それが本当にすごいことなら、ヘビー級の方からアプローチがあってもいいわけじゃないですか。それがないのが現状で」と切り捨てた。体重の軽い選手が上の階級に〝挑戦〟という一方的な構図しか成立していない状況をつくることは、日ごろヒロムが主張している「ジュニア最高」の言葉を否定する行為だというのだ。

 さらには「言葉にすればするほど、悪い意味で壁が生まれてる気がします。いつもは『ジュニア最高』と言っていて、でもこういうタイトル戦になると『ヘビー級に勝つのが夢』と言って、コンプレックスのようなものを出してくるわけですよね。それって都合がよすぎるというか」と指摘。

 その上で「他団体ですけど、(ノアで)丸藤(正道)やKENTAとかがジュニアでやってる時って、はたから見てて『あ、これはヘビー級、食ってる』って思ってたんですよ。あの人たちは発言しなくても行動で示してましたよね」と本来の〝階級闘争〟のあり方を提示した。

 ヒロムと金丸の激闘にも、両階級を活性化させる可能性を見いだしたというSANADA。史上初の2階級同時制覇王者の誕生を阻止することで、あいまいになりつつある階級制の意義を深めるつもりだ。