薬物イメージのついた有名人には、いかに〝悪魔の誘い〟が多いことか――。5度目の覚醒剤事件で裁判中の女優・三田佳子次男、高橋祐也被告(43)が、4月21日の東京地裁公判でその葛藤を明かした。

 前回事件で2018年末、懲役2年6月、保護観察付き5年の執行猶予判決を受けた後、高橋被告は沖縄の薬物依存症リハビリセンターへ入所。翌19年7月には「内妻(元アイドル)が子供を出産する時期だったので、一緒に暮らそうと思って…」東京に戻った。

 その後も週3回以上、都内の民間リハビリ施設に通っていたが、21年5月、別の自助グループへ移った。本人はその理由を「覚醒剤を勧められたことがあって、スリップ(再使用)してしまったので怖くなって…」と告白した。

 施設でのミーティングで連絡先を交換した人から、電話で「一緒に(覚醒剤を)買わない?」と誘われたという。「大丈夫です。いりません」と拒んでも、その人物は「大丈夫ってことは『いる』ってことだよね?」と言い、高橋被告が「いや、そうじゃないんですよ」と断っても無視。1時間後には、高橋被告の実家前から「家の下に着いたよ。お金払ってくれ」と電話してきたそう。

 高橋被告は「『これを買え』みたいな感じだったので…」。現金2万円と引き換えに1グラムほどの覚醒剤を手に。「『(覚醒剤を)持って帰って下さい』って言う間もなく、走って行かれちゃった」という。当初使うつもりはなかったが「マンションの下にバンと捨てるわけもいかないなと思って、部屋に持って帰ってしばらく見てるうちに、依存症が出てきて…」。で、結局また吸ってしまったという。

 その後、覚醒剤をまた使いたい気持ちには「幸いならなかった」そうだが、この一件は保護司に報告せず。その理由を本人は「逮捕を避けようと思った」と振り返った。保護司に報告したのは20年1月で「『(覚醒剤を)買え』と言われた」というところまでだった。

 高橋被告は2010年から18年ごろまで7~8年間、千葉の国立病院へ入通院。名だたる〝薬物有名人〟らが頼った、その道では知られる医師の治療を受けていた。が、その治療も途中でやめてしまった。本人の証言を要約すると、こんな理由からだ。

「入院中に仲良くなった知人が、退院時に外で待ってて『(覚醒剤を)売りたいんだ』みたいなことを言われたことはあります。それで(知人が)ウチ(自宅)のほうに来てしまって妻(元妻の一般女性)と会って、妻が心配したことがあって…。それで妻が『今すぐ(病院へ通うのは)やめてほしい』と言ったので…」

 高橋被告は「体にいいものでもないですし、自分自身何度も逮捕されていて、(覚醒剤を)やめ続けられると思いながらチャレンジしてる」というが、顔が世間に知れ渡っているため、興味本位で「普通の方でも『(覚醒剤を)やらないのか』とか聞いてくる」んだそう。

 裁判では再び有名人だからと売人が近寄ってきたらどうするのか聞かれ、高橋被告は「保護観察官や保護司の先生や警察機関にまず相談して、初めの売人に(薬物を)売られてしまう瞬間を切り抜けていこう」と決意を口にした。ただ薬物を断ち切るのは「自分ひとりの力だけでは難しいのかもしれないです」。両親らのほかで力を借りたい人物として、前出の千葉の医師を真っ先に指名した。