【球界こぼれ話】日本でメジャーリーグといえば投打二刀流で活躍するエンゼルス・大谷翔平の話題が中心だが、現地では今、あるチームの躍進が注目を集めている。ア・リーグ東地区で首位を走るレイズの快進撃である。

 シーズン開幕カード(対タイガース)で3連勝を果たすと、そこから連勝モードに突入。ナショナルズ、アスレチックス各3連戦を無傷で駆け抜け、10日からのレッドソックス4連戦でも圧巻の4連勝を飾った。これでチームは開幕13連勝をマーク。1982年のブレーブス、87年のブルワーズが記録した開幕からのメジャー連勝記録に並んだ。翌14日のブルージェイズ戦では惜しくも敗れ記録更新こそ逃したものの、全米主要メディアは総じて「球団創設以来、最高のスタート」とチームを称賛。フロリダの地元ファンサイトなどでは早くも「今季の地区優勝は堅い」という声まで出始めている。

 このレイズの快走ぶり。野球ファンの間で関心を集める背景にはここまでのチームの歩みが大きいと言われる。

 レイズは98年にMLBの球団拡張に伴い生まれた新興球団だが、チーム名が「タンパベイ・デビルレイズ」だった2000年代中盤までは弱小そのもの。プレーオフ進出など夢のまた夢で「シーズン100敗以内なら上出来」と言われるほどの典型的なお荷物チームだった。当然、フロリダ州セントピーターズバーグに」ある本拠地「トロピカーナ・フィールド」のスタンドは常にガラガラ。個人的に何度も取材で訪れた経験があるが、当時から「ドル箱」と言われたヤンキース戦ですら閑古鳥が鳴く始末だった。そんな低迷期を乗り越え、近年はドラフト等で集めた若手有望株を育成。こうした球団の努力も実り20年からは2年連続地区優勝を果たすなど昨今はア・リーグ東地区で上位争いを演じる強豪になりつつある。地元民だけでなく往年の野球ファンらが一目置くのも無理はない。

 日本時間23日時点でレイズは21試合を終え18勝3敗の貯金「15」。ホームではいまだ12戦無敗と無類の強さを誇る。今後大崩れしなければシーズン最多勝利記録も狙えるだろう。

 ちなみにメジャーの1シーズン最多勝利記録は1906年のカブスとイチロー氏、佐々木主浩氏が在籍していたマリナーズが01年に記録した計116勝である。今季のレイズはこの記録を塗り替えられるのか。開幕からまだ1か月足らずとはいえレイズの勝ちっぷりから目が離せない。