あの感動がよみがえった――。フィギュアスケートの世界国別対抗戦2日目(14日、東京体育館)、アイスダンスのフリーダンス(FD)では、日本の〝かなだい〟こと村元哉中(30)、高橋大輔(37=ともに関大KFSC)が自己ベストの116・63点をマークして5位。会場からは大歓声が沸き起こった。

 感情が自然とあふれ、ガッツポーズが飛び出した。大観衆の中、16年前と変わらぬ華麗なステップに、カップル競技ならではのリフトやツイズルなどを披露。高橋は「緊張していたが、本番になると演技の中に入り込むことができた。全体的にいい思い出にしたいという気持ちが強かった。哉中ちゃんと2人でアイスダンサーとして最高の演技ができた」と声をはずませた。

〝かなだい〟がFDで演じた「オペラ座の怪人」は、高橋がシングル時代に同会場で開催された2007年世界選手権でも使用。日本男子初の表彰台となる銀メダルを獲得した際の名プログラムということもあり、村元も特別な思いを抱いていた。試合前には高橋がシングル時代に演じた「オペラ座の怪人」を視聴。高橋が驚きの表情を浮かべる横で「すごいなといろいろ感動した。幸せな4分間だった」と感慨深げに振り返った。

 フィギュア界に新たな1ページを刻んだあの日から約16年。まるで神様がいたずらを仕掛けたかのようなタイミングで再び「オペラ座の怪人」を熱演。高橋は「自分たちが求めてのスタートではなかった。いろんな意味で、いろいろなものが運命的だった。僕にとって思い出のある場所でまた最高の演技ができたのは、すごくうれしい」と神妙に語った。

 カップル結成3季目のシーズンを終え「やればやるほどお互いがわかり合える」と一定の手応えをつかんだ高橋だが、来季の去就については「アイスショーやイベントがあるので、その間に考えていこうと思う」とコメント。まずは日本の応援に専念し、喜びに浸る。