改正道交法により自転車を乗る際にヘルメット着用が努力義務とされてから10日が過ぎた。9日には未着用者が命を失う事故が発生。ヘルメットについては、フリーアナウンサーの滝川クリステルが自身の痛々しい負傷写真をSNSで公開し、着用の大切さを訴えていた。

 死亡事故があったのは9日午後1時過ぎ。京都府京田辺市にあるサイクリングロードで自転車2台が正面衝突する事故が起き、奈良市の60代男性が頭を強く打って死亡した。男性はヘルメットを着用していなかった。もう一方の自転車に乗っていた40代女性はヘルメットを着用しており、命に別条はないという。

 今月から努力義務となったヘルメット着用をめぐってはネット上で「スーパーとかコンビニに行くにもヘルメットはさすがに難儀」「気軽に乗れなくなって嫌だ」と否定的な声も多かった。今回の事故はサイクリングロードで起きたもので、スポーツタイプだった車種も含めて日常とは状況が異なるが、不安になってしまうものだ。

 どうしてヘルメット着用が努力義務化されたのか。法曹関係者は「日本人は自転車に乗っても、昔のままの歩行者の感覚なんです」と意識の問題を指摘する。

「歩道と車道がある道では、自転車は車道を走らなければいけないから車のルールにのっとらなければならないのに、歩行者の信号に従っているので、歩行者信号が青に変わって、歩行者が歩き出した時に車道を走り抜ける自転車が突っ込む事故がある」(同)

 歩行者との接触以外にも今回のように自転車同士の事故もあるし、特に自動車とぶつかると大事故になりやすい。警察庁によると、2017~21年の自転車の死亡・重傷事故の相手当事者の約76%が自動車。自転車と自動車の事故のうち、出合い頭衝突による事故が約55%だ。警視庁の同期間のデータでは、東京都内で発生した自転車の死亡事故のうち約7割で頭部損傷が致命傷となった。

「自転車で車道を走っているのに逆走するし、車の信号を守らない。傘さし、ながらスマホ、無灯火、電動アシスト付きで爆走。歩行者意識なので、車が止まってくれる、車がよけてくれると思っており、車とぶつかってしまうのです」(同)

 先週にはフリーアナの滝川がインスタグラムで自身の転倒事故を明かした。顔から落ち、サングラスが顔面に刺さった。目元の眉の脇を十数針縫ったという顔の写真も公開。「ヘルメットをしていれば、頭は守られるので頭から落ちようとしたかもしれません」と振り返り、身をもって着用の努力義務について呼びかけた。

 命を守るためには必要かもしれない。