【米アリゾナ州テンピ24日(日本時間25日)発=青池奈津子】エンゼルスの大谷翔平投手(28)が21日(同22日)の米国とのWBC決勝以来の実戦マウンドとなるダイヤモンドバックスのマイナーとの試合に先発し、4回2/3で81球を投げて4安打1失点、8奪三振と元気な姿を見せた。投打にわたる活躍で侍ジャパンを世界一に導いた影響か「少し張りがあるかな」としたものの、30日(同31日)のアスレチックス戦で開幕投手を務めることも正式発表され、シーズンに向けて準備は着々と進んでいる。

 米国とのWBC決勝で9回に登板し、僚友トラウトを空振り三振に仕留めて世界制覇を成し遂げてから中2日。大谷がマウンドで元気な姿を見せた。マイナー相手の調整登板ながら4回2/3を投げて4安打1失点。2回に先頭の左打者に右越えへ本塁打を許したが、4回の3者連続三振を含む8奪三振で1四球と格の違いを見せつけた

 この日の主なテーマはバッテリー間で使用するサイン伝達の電子機器、ピッチコムと、今季から導入される投球間の時間制限ルール、ピッチクロック、そしてスプリットの確認。「自分のやりたいことを優先してゲームに入るという感じでした」と振り返ったように納得できる投球だった。

 さすがの大谷でも、投打でフル回転したWBCの激闘や国内外の時差から「体の張り感っていうのは、ちょっと残っています」という。ただ、決戦の地マイアミから帰っての2日間は「寝ましたね。やっぱりリカバリーが一番なんで。今日も帰って寝ます」。開幕までの1週間はDHでの出場はあるものの「それ以外の時間はリカバリーに充てたい」とリフレッシュを優先させる考えだ。

 体の疲労はあっても、メンタルはこの上なく充実している。憧れだったWBCの舞台に立ち、打者では7試合すべてにDHで出場して23打数10安打8打点1本塁打、投げては決勝の救援登板を含め3試合で計9回2/3を投げて2勝1セーブ、防御率1・86。DHと投手の2部門でベストナインに選ばれ、MVPの名誉と世界一の栄冠を手にした。

「ポストシーズンだったりWBCのような短期決戦の熱量というのは特別かなと思います。シーズンに入る前に、ああいう短期決戦の雰囲気を味わえたっていうのは特別なこと」

 プロ入り後に優勝を経験したのは日本ハム時代の2016年が最後。エンゼルス移籍後はポストシーズンと無縁の“寂しい秋”を送ってきた。これまでに何度も口にしてきたことではあるが、改めて「エンゼルスで今年まずワールドシリーズに出て、そこで勝ちたいなって思いましたし、もう今はそこしか考えられない」とチャンピオンリングへの思いを強くした。

 この日、2年連続で開幕投手を務めることが正式に発表された。今後はカリフォルニア州の自宅に戻り、休養を取ってから26日(同27日)から始まるドジャースとのオープン戦3連戦にDHで出場して開幕を迎える。春に世界一をつかみ取った二刀流右腕は、秋にも再び世界制覇を成し遂げるつもりだ。