いよいよ崖っぷちだ。大相撲春場所4日目(15日、大阪府立体育会館)、綱取りに挑む大関貴景勝(26=常盤山)が幕内阿炎(28=錣山)のはたき込みに屈して早くも2敗目。横綱昇進の条件となる2場所連続優勝が大きく遠のいた。前日3日目に左ヒザを負傷し、この日の相撲でも不安を露呈。それでも、元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)は「ケガを乗り越えていかないと横綱になれない」と猛ゲキを飛ばした。
貴景勝が阿炎に完敗を喫した。3日目に痛めた左ヒザにはテーピング。左足から踏み込んだが、阿炎のいなしに泳がされ、踏ん張ることができずに力なく土俵を割った。花道を引き揚げる際には、患部をかばうようなしぐさ。その後は取材に応じることなく、会場を後にした。今場所の優勝が綱取りの条件とされる中、痛恨の2敗目。悲願への挑戦は早くも正念場を迎えた。
この日の貴景勝の相撲について、秀ノ山親方は「阿炎のもろ手突きを恐れずに、もっと踏み込んだほうが良かった。ヒザを痛めると、どうしても怖くて地面を強く踏めなくなる。そうすると、体の軸がブレて泳いだり、圧力が弱くなったりする。ケガをした時ほど、前に出る相撲が必要。しっかりケアをして、試行錯誤しながらやっていくしかない」と指摘する。
力士として土俵に上がる以上、ケガは言い訳にできないのが大相撲の不文律。親方は「相撲をやっていれば、乗り越えなければいけない〝壁〟がいくつも出てくる。15日間の相手だったり、重圧だったり。今回は、いかにケガと付き合いながら結果を残していくか。そこが試されている。ここを乗り越えていかないと、横綱の地位は手にできない」と力説した。
その貴景勝には〝逆風〟ばかりが吹いているわけではない。秀ノ山親方は「花道から会場の雰囲気を見ると、貴景勝を応援する地元のファンがいかに多いかが分かる。お客さんは皆、貴景勝の相撲に一喜一憂している。貴景勝も肌で感じているはずだし、期待を力に変えてチャンスをつかんでほしい」とエールを送った。
1場所15日制以降、序盤5日目までに2敗して横綱となったのは朝汐だけ。ただ、貴景勝は昨年の九州場所で序盤の2敗から12勝まで星を伸ばし、優勝決定戦に進出している。故障禍の試練を克服し、ここからミラクルを起こせるか。










