現役を引退した〝プロレスリングマスター〟こと武藤敬司(60)が15日、石川県知事の馳浩氏(61)を表敬訪問した。

 笑顔で迎え入れた馳氏からは「元日の試合(グレート・ムタVS中邑真輔)といい東京ドームでの引退試合(2月21日、対内藤哲也)といい、本当に締めくくりにふさわしい素晴らしい作品を残していただき、プロレスファンの一人としても感謝しています」とねぎらわれた。

 武藤は昨年7月から石川県の観光大使としても活動しており、引退のお祝いと今後のPR活動への協力を求めるため、今回の場を設けたという。

「百万石の極み」と名づけられた米100キロと能登牛10キロなどの特産物を贈呈された武藤は「うれしい限りです。プロレスはやめても、石川県観光大使として、おいしいものや石川県の魅力をいろいろ発信していきますのでよろしくお願いします」とあいさつ。ただし「一つ言っておきたいのは俺、復帰しないからね」とクギを刺すことを忘れなかった。

 馳氏からは「3年くらいたったら1試合ぐらいいいじゃん。タッグでオレが9割働く」と提案されたが、武藤は「いやいや。俺、1月1日の後、石川県に帰ったらみんなに叩かれてるっていうから、少し気になってて」。馳氏が元日のノア日本武道館大会に出場したことで、賛否両論が起こったからだ。

 馳氏から「そんなことない。石川テレビに叩かれているぐらいだから」と返されると、武藤は「あんまり人気に差しつかえると嫌だからさ。俺がプロレス引退したから、リングから(馳氏も)遠くなりましたから。今後は県のことだけ考えて」と忠告した。