広域強盗事件で「ルフィ」などと名乗り犯行を指示した疑いがあり、フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループの中核と見なされ、窃盗容疑で逮捕された渡辺優樹容疑者(38)ら4容疑者の背後には黒幕の存在が指摘されている。ただ、ルフィが自白するか、彼らが所持していたスマホやタブレットの解析がなされなければ、黒幕への到達は困難だ。
渡辺、今村磨人(38)、藤田聖也(38)、小島智信(45)の各容疑者はそれぞれ警視庁渋谷署、原宿署、麻布署、世田谷署に留置され、取り調べを受けている。
2010年代後半からフィリピンの廃ホテルを買い取り、特殊詐欺のアジトを作ったのは渡辺容疑者ということが分かっている。最盛期には200人以上の「掛け子」がいたとされる。
しかし、特殊詐欺マニュアルを作った人物を知る元暴力団関係者は「渡辺容疑者が日本にいた時は窃盗グループを率いていたり、タイで特殊詐欺をやったりしていましたが、さすがにいきなりフィリピンでアジトを構えられるほどの力はないです。渡辺にアジトや詐欺グループ組織の作り方を教えた人物、金主になった人物など複数の黒幕がいたんです。軌道に乗ってからは、渡辺がリーダーになったことは確実ですが。そして、フィリピンで逮捕されてからは入管施設ビクタン収容所内では、大がかりな特殊詐欺を指示できないので、暴走して強盗を指示したんでしょうね」と指摘する。
アジトは2019年に摘発され、日本人の掛け子36人が逮捕された。4人はうまく逃亡し、フィリピン当局は20年3月に今村容疑者、21年2月に藤田容疑者、21年4月に渡辺容疑者と小島容疑者の身柄を拘束。渡辺容疑者はケンジ・シマダ、小島容疑者はトモノブ・サイトウと名乗っていた。
その黒幕の1人とみられる人物が渡辺容疑者と同時に逮捕されていたというのだ。
「渡辺、小島とともにパラケーニャ市のホテルでもう1人の日本人が逮捕されたんですが、当局が『前科なし』として釈放していたんです」(同)
地元メディアはその人物を「原因不明で釈放された」と報じている。地元メディアがわざわざ言及したということは、フィリピンの闇社会では有名な人物だったということだろうか。
「その人物は日本からの逃亡犯ではなく、特殊詐欺グループの一員でもなかったため、釈放されたということですが、フィリピンに根を張っていて、ルフィグループの上にいたといわれています。フィリピンにはルフィ以外にも複数の特殊詐欺グループが存在し、それらの金庫番というウワサがあります」(同)
もし黒幕の1人だとしても前科なし。さらに渡辺容疑者らにはインターポール(国際刑事警察機構)が青手配書と呼ばれ、情報照会を目的とする国際手配書を各国に通知していたが、その人物は国際手配もされていなかったということ。まだフィリピンにいるのか、他国に渡っているのか…。ルフィの闇は深そうだ。











