熱戦の行方は――。23日に開幕した卓球の全日本選手権(東京体育館)の男女シングルスは、26日からスーパーシードに名を連ねる有力選手たちが登場する。残り1年半となったパリ五輪へ向けた重要な一戦を、日本卓球界初のプロ選手で五輪4大会出場の松下浩二氏(55)が徹底分析。男子シングルスのエースが秘める伸びしろ、混戦必至の女子シングルスを抜け出すためのカギを明かした。
男子シングルスは直近5大会で2018年大会を制した張本智和(19=IMG)をはじめ、水谷隼、宇田幸矢、及川瑞基、戸上隼輔と毎年王者が入れ替わっているが、実績面では、やはり張本が抜きんでている。昨年11月のアジアカップでは日本勢33年ぶりの優勝を果たすなど、パリ五輪の選考ランキングでも首位を独走している。
松下氏は「世界ランクの上位にいて、実力もある張本選手が大本命。張本選手を中心に回ることは間違いないですね」と展望を語った。張本は世界ランキング4位で、中国勢を除けば世界最上位。パリ五輪のメダル候補となっており、中国勢は警戒を強めている。だからこそ、全日本選手権での戦い方が一つの試金石になるという。
松下氏は「どうしても受けて立ってしまっていて、最近(の全日本)は取りこぼしている。張本選手が今後、世界ランキング1位になって五輪に臨んだとしても、そういう状況になる。そこで自分から向かっていくような精神状態で試合に臨めるかというところもある」とメンタル面の課題を挙げた。
その上で「やっぱり向かっていった時のプレーはすごい。中国選手に勝つ時のように向かっていった張本選手は強い。だから、そこのメンタルコントロールが大事。張本選手の中では、この全日本は重要になってくるのではないか」。実力はトップレベルでも、チャレンジャー精神で挑む重要性を強調した。
一方の女子シングルスは、実力が拮抗している。早田ひな(22=日本生命)、伊藤美誠(22=スターツ)、平野美宇(22=木下グループ)、石川佳純(29=全農)の4強を軸に、木原美悠(18=エリートアカデミー)、長崎美柚(20=木下グループ)らが追いかける構図だ。
松下氏は「やっぱり気持ちの部分が大きいと思う。どの選手にもチャンスはある。女子のレベルはここ最近で一番高いかもしれない」との見解だ。勝利のポイントについては「全日本は独特なので、最初から最後まで集中力を切らさずに向かっていけるかが大事になる。精神的にネガティブになったり、弱気になったらやられるので」と指摘した。
これまで数々のドラマが生まれてきた全日本選手権。パリ五輪へ弾みをつけるのは誰なのか。












