ヘンリー王子の回顧録「スペア」が刊行され、さまざまな暴露が行われ、王室などがスキャンダルに巻き込まれている。

 なかでも「アフガニスタンでの軍務中に計25人を殺害した」と告白し、殺害した相手を「ボードから取り除かれたチェスの駒」とたとえた記述が本格的な国際問題に発展している。

 多くの英メディアは18日までに「ヘンリー王子はイランのプロパガンダに加担した」と報じている。

 イラン司法府は先日、英国に機密情報を漏らしたスパイ罪で元イラン国防軍需省幹部アリレザ・アクバリ氏の絞首刑を執行した。アクバリ氏は英秘密情報局(MI6)の支援により、英国籍を取得し、イランでスパイ活動を行っていた。この処刑に対し、スナク英首相は「自国民の人権を尊重せぬ野蛮な政権によって行われた無情でひきょうな行為」と批判した。

 しかし、イラン外務省は17日、ツイッターで「英王室の一員は25人の罪のない人々の殺害をチェスの駒の除去とみなし、後悔していない。この戦争犯罪に目をつぶっている英国政府は人権について説教する立場にない」と反論した。

 英紙デイリー・メールは「元英国軍司令官リチャード・ケンプ大佐は『ヘンリー王子がイランのプロパガンダ機関に〝弾薬を与えた〟』と非難している」、英紙ザ・サンは「イランの血まみれ政権は、ヘンリー王子の本をプロパガンダの武器として使用した」、英紙メトロは「イランは処刑をめぐってヘンリー王子を〝戦争犯罪〟で非難している」などと報じている。

 英紙エクスプレスは、元英国海軍司令官のクリス・パリー少将の言葉として「戦争における戦闘員の合法的な殺害と、独裁政権による見せ物裁判および政治的殺人との間の同等性を主張することは矛盾している」との見方を示した。

 いずれにせよ、ヘンリー王子の回顧録が大きな国際問題になってしまった。