米マサチューセッツ州アクトンで、17歳の少年が自宅で母親(45)と弟(14)を殺害したとして起訴された。事件で注目を集めているのが、少年が殺害前、対話型生成AI「ChatGPT」を使い、家族殺害をめぐる空想などについて調べていたことだ。
事件の発覚は11日。少年は2件の殺人罪などで起訴された。検察によると、少年は事件前、インターネットやChatGPTを使い「家族殺害をめぐる理論上のアイデアや空想上の物語」について調べていた。
IT事情に詳しい関係者は「ChatGPTは、現実の殺人を実行するための具体的な手順を提供しないよう安全対策が施されています。一方、殺人事件が登場する小説など、創作・芸術の文脈で暴力を扱うことはあります」と説明する。
地元公共ラジオWBURによると、事件を担当するマリアン・ライアン検事は、被告がChatGPTで「ゴシック小説のような物語」をつくり「これはどうだろう」「もしこうなったらどうなるか」といった形で質問したり、登場人物を作ったりしていたと説明した。創作という前提でChatGPTが応答していた可能性もあるが、実際の回答内容は明らかになっていない。
海外ではAIと殺人との関係が問題になった事件がすでにある。
2025年8月、米コネティカット州で男(56)が母親(83)を殺害後、自殺した。被害妄想を抱いていた男がChatGPTとの長期間の対話を通じ「母親が自分を監視している」「毒殺しようとしている」などの妄想を肯定・増幅され、それが殺害につながったとされる。
「米国の研究では、AIへの相談には『人間には言いにくいことまで打ち明けやすい』『24時間いつでも利用できる』『同じテーマについて何度でも対話できる』という特徴が指摘されています。一方、利用者の状態やAIの応答によっては、妄想や怒り、自傷・他害などの危険な思考を掘り下げる〝思考の壁打ち相手〟になってしまう可能性も議論されています」(同)
例えば、友人に相談すれば友人が通報したり、説得したりするかもしれない。一方、AIは24時間利用でき、同じテーマについて何度でも対話できる。もちろん生成AIには危険な内容への安全対策が施されているが、それが十分に機能しなければ、危険な思考を抱えた利用者が自らの世界観について延々と思考を巡らせる〝壁打ち相手〟になってしまう恐れもあるというわけだ。












