復帰へのポイントは――。女子テニス元世界ランキング1位の大坂なおみ(25)が、自身のSNSで妊娠と出産後の現役続行を発表。世界中から注目を集めるが、他競技の〝ママアスリート〟は、どう出産、育児と向き合ってきたのか。カーリング女子で五輪3大会に出場し、現在は2児の母として育児と競技を両立する船山弓枝(44=フォルティウス)が取材に応じ、自身の経験を明かしてくれた。

 2015年に第2子を出産した船山は「安定期に入るまでは練習強度を下げて、入ってからは運動強度を上げていきました」。ただ、安定期に入っても「つわりの時期がつらかったりとか、なんか体がむくんでくることもあるので、ちょっとおなかが張りやすい日は、ちょっと練習を控えたりとかしてました」。無理のない範囲で妊娠8か月ごろまで競技を続けた。

 しかし、本当に大変だったのは出産後だった。「妊娠中は、ある程度自分の時間を取れるけど、出産後は赤ちゃんのお世話もするので、自分のリズムで生活ができなくなる。周囲のサポートは必要ですね」。復帰にあたり、船山は家族や友人などの理解を得て、サポートを受けながら、産後1か月で練習を再開した。最初の1か月はストレッチなど体づくりに励み、2か月目には氷上へ。3か月目には全体練習に合流したという。

 順調な復帰過程にも見える一方で、出産後の体の変化とも向き合う必要があった。「出産前の自分の体に戻そうとしても、股関節の動きなどの変化が大きいので、完全には戻り切らない。出産後の体で新しいフォームをつくり上げるところに焦点を当ててやっていました」。試行錯誤を繰り返し、19年には日本勢男女を通じて初めてワールドツアー世界最高峰・グランドスラムの決勝進出に貢献した。

 復帰の道のりは簡単ではなかったが〝ママアスリート〟になることは、さらなる飛躍のきっかけをつかむチャンスだという。船山は「出産は人それぞれで違うけど、たくさんの人が応援してくれると思う。その後押しを競技に生かしてほしい。子供に応援されるお母さんというところで、精神的にも強くなれると思うので、いろんな挑戦ができる人が一人でも増えてくれたらうれしいです」と未来のママさんアスリートにエールを送った。

 大坂は自身のSNSで「自分の子供が私の試合を見て『あれが私のママ』と誰かに言うことが楽しみ」とつづっており、子供の存在が大きな力になりそうだ。母として築く新たなキャリアからも目が離せない。