はい上がれ! 大相撲初場所8日目(15日、東京・両国国技館)、大関から陥落した関脇正代(31=時津風)が新小結若元春(29=荒汐)に寄り切られて痛恨の6敗目(2勝)。1場所での大関復帰が消滅した。なぜ正代は、力を発揮できないまま地位を取り戻すチャンスを逃したのか。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(38=本紙評論家)は〝敗因〟を指摘した上で、同じ九州出身の後輩に奮起を促した。
正代が若元春に敗れ、大関返り咲きの望みを絶たれた。左を差して前へ出たが、土俵際で残されて攻め切れない。体を入れ替えられて寄られると、力なく俵を割った。痛恨の6敗目を喫し、大関復帰の条件となる10勝に届かないことが確定。取組後は取材対応せず、国技館を後にした。大関カド番で臨んだ先場所は6勝9敗で陥落。今場所は早くも中日で地位を取り戻すチャンスを逃した。
なぜ、看板力士は一気に坂道を転げ落ちてしまったのか。秀ノ山親方は「大関という立場から陥落して、もう一回狙うという立場で〝チャレンジャー〟として土俵に臨まないといけないのに、気持ちばかりが早まっている。肩に余計な力が入ってしまっている」と精神的な要因を指摘する。その姿勢は、相撲内容にも表れているという。
親方は「地に足がつかず、上体だけで相撲を取っている。良かった時は足の親指、つま先に体重をかけて、どんどん前に出られていた。今の正代は負け方が悪い。いつものけぞって負けていますよね。かかとに重心が乗っているから受け身になって、腹が出る、押し出されるという悪循環に陥っている。『前に落ちてもいい!』ぐらいの覚悟で、踏み込んでいくべき」と分析した。
秀ノ山親方は福岡、正代は熊本出身。同じ九州から出た大関の〝先輩〟として、正代の復活を強く願っている。自身も現役時代に陥落を経験した親方は「力士は負けた時が終わりじゃなく、辞めた時が終わりだから。31歳は、まだまだ老け込む年齢ではないし、ここから力が出る。自分の相撲を見つめ直して、もう一度上に行ってほしい。この悔しさをバネにして、ひと皮もふた皮もむけた正代が見てみたい」とエールを送った。
現行のカド番制度となった1969年名古屋場所以降、1場所で復帰できなかった後で大関に返り咲いたのは魁傑と照ノ富士(現横綱)の2人だけ。正代は高いハードルを乗り越えて、再び看板力士の座を取り戻すことができるか。











