あるべき姿を示せるか。大相撲初場所7日目(14日、両国国技館)、大関貴景勝(26=常盤山)が幕内翠富士(26=伊勢ヶ浜)との激闘を制して1敗を死守した。

 貴景勝が突き放して攻め込むも、翠富士が逆襲。張り手の応酬となり、互いに立ったまま相手の出方をうかがう場面もあった。その後は大関が右差しを許して寄られたが、土俵際の強引な小手投げで逆転勝ち。V戦線のトップに踏みとどまった。取組後は6日連続で取材対応せず、国技館を後にした。

 藤島審判長(元大関武双山)は「貴景勝は熱くなっていた。体勢が悪くなって(相手の)右が入ったけど、引っこ抜いて意地を見せた」と大関が見せた気迫の一番を評した。優勝争いは一人大関の貴景勝と平幕力士4人が1敗で並ぶ展開。綱とりの可能性もある大関に期待が集まる一方で、昨年後半から平幕優勝が続く流れが継続しそうなムードも漂っている。

 この日、国技館内で開催されたトークイベントに出席した西岩親方(元関脇若の里)は「ここまで3場所連続で平幕優勝。見る側にとっては楽しいし、誰が優勝するか分からない。ただ、これがずっと続いていいのかと言うと、私は違う気がする」と土俵の現状に疑問を投げかける。

 その上で「たまに数年に一度、平幕優勝が出るから価値があるのであって、最後は横綱大関が締めるのが大相撲の本来の姿、醍醐味だと思う。ぜひとも今場所は貴景勝に優勝してもらいたい。番付の重み、価値というものを取り戻してほしい」と力説した。その思いに、貴景勝は応えることができるのか。看板力士の一番一番に注目が集まる。