元世界女王の見解は? フィギュアスケートの2022~23年シーズンは強豪ロシアの選手が不在で行われる中で、日本勢は坂本花織(22)、三原舞依(23=ともにシスメックス)ら女子シングルの活躍が目立っている。本紙の取材に応じたプロスケーターの安藤美姫(35)はロシア勢抜きのメリットとデメリットを指摘。その上で、3月に開催される世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)の行方を占った。
――女子はロシア勢が不在で、日本勢が国際大会で結果を残している
安藤 ロシア勢が出ていないことはいい意味でチャンスが大きいシーズンとも言えるが、ロシア勢がいたらどうなるのだろうというのは正直あります。今後ロシア勢の状況によって変わってくる側面もあるので、日本勢の活躍はすごくうれしいけど、やっぱり複雑な気持ちで見守っている部分もあります。
――やはりロシア勢はレベルが高い
安藤 国際大会の舞台に戻ってきたときのロシア勢のレベルがどこまでなのかは現時点では分からないけど、次から次へと高難度のジャンプを跳ぶのはもちろん、それ以外の加点の部分を見てみると、まだまだロシア勢の方が上手かなと思います。それに今はロシアばかり強いイメージが先行しているけど、韓国や米国のジュニア勢も育ってきています。そういった他の国の選手がどういうふうに育つかによっても、いろいろ変わってくると思います。
――ロシア勢の不在は選手たちのメンタル面にも影響するのでは
安藤 結果を狙いにいく選手にとっては、モチベーションを上げるという意味では難しい部分もあると思います。やっぱり強い選手がいるからこそ、闘争心が湧きますから。強い選手がいるといい刺激になると思うので、スポーツの側面としてはロシア勢を見たいですね。ロシア勢のような強い選手がいるワクワク感、ドキドキ感を味わいたいですね。
――3月には世界選手権が控えている
安藤 自国開催は選手にとって強みになると思います。応援による後押しがすごいあるので、私と浅田真央さん以来のワンツー(2007年東京大会で安藤が金、真央が銀メダル)が見られるかもしれないですね。坂本選手は自分の力をしっかり発揮すれば連覇を狙えると思いますし、三原選手も海外の評価は日本の評価よりもすごくいい。三原選手も一番上の台(優勝)を狙える技術があると思います。
――坂本と三原の印象は
安藤 坂本選手と三原選手は同じリンクで練習するチームメートでもある中で、切磋琢磨していますよね。私は2人を正反対のスケーターだと思っていて、坂本選手はやっぱりパワフルでダイナミックな演技が魅力的な選手。三原選手は繊細な中でも力強くて、その信念というものが見られる感情豊かな選手。違うからこそお互いが刺激をし合いながら、このまま育っていってほしいなと思います。
――ただ、勝負の世界は甘くないからこそ面白い
安藤 ベルギーの選手(ルナ・ヘンドリックス=23)が優勝候補に挙がっていて、本番までどのように調整してくるかによって結果が変わってくるのでは。いろんな理由がある中でも、出場する選手一人ひとりがベストを尽くすことで何かがひっくり返ることも、もちろんあると思います。そういった意味でも、ワクワク感、ドキドキ感を日本で開催される世界選手権では味わえるかもしれないので、とても楽しみです。












