岸田文雄首相(65)は4日、訪問先の三重県伊勢市で年頭会見を行い、2023年の抱負を語った。

 会見では今年の課題として外交政策や経済、少子化対策、G7(日本、米国、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア)広島サミット議長国を務めることで主導的な役割を果たしたい意向を掲げた。

 来週9日からはフランス、イタリア、英国、カナタ、米国の5か国を訪問。岸田首相は中でもバイデン大統領との〝日米首脳会談〟について「わが国は年末に安全保障の基軸たる『3文書』の全面的な改正を行いました。これを踏まえ日本外交、安全保障の基軸である日米同盟の強化を内外に示す」と語り、重要な会談と位置づけた。

 今年は4月に統一地方選挙、凶弾に倒れた安倍晋三元首相の死去に伴う山口4区の補欠選挙などが実施される予定で、結果次第で岸田首相に対する逆風がさらに強まる可能性が永田町で指摘されている。

 自民党議員は「通常国会(会期150日)が今月23日に召集されます。岸田首相はまず、一般会計総額で過去最大の114兆円の新年度令和5年予算案の年度内成立をはかることが課題になる。しかし、野党側は相次ぐ閣僚辞任となった〝政治とカネ〟の問題を追求してきます。岸田首相の支持率回復のシナリオは、外遊でポイントを稼ぐことでしょうね」と指摘した。

 岸田首相は年末に一般紙などのインタビューで、防衛増税を行う前に衆院解散総選挙があり得るとの認識を示していた。

 衆院議員の任期折り返しは、今年10月に迎える。会見で岸田首相は「税が上がる前に選挙があることも日程上、可能性の問題としてあり得る」と述べた上で、衆院解散のタイミングは「専権事項として総理大臣が判断するものです」とし、明言を避けた。

「G7広島サミットが成功して岸田内閣の支持率が上昇すれば、増税前の衆院解散が行われる可能性は出てきますよ。ただ党内の一部では『サミットが花道』とした声もあります。野党が弱いからと言って、なかなか増税前の選挙はできませんよ」と前出の自民党議員は半信半疑で語った。

 いずれにせよ、岸田首相は、発足当時のような人気を回復できるのかは五里霧中だ。