大台突破なるか。巨人・岡本和真内野手(26)が今季まで5年連続の30本塁打をマークした。球団の右打者としては初の快挙である一方で、本人の前に立ちはだかっているのが「40発の壁」だ。かつては弟分だった和製大砲に対し、今季限りで巨人から退団となり、来季はロッテの一軍打撃コーチを務める村田修一氏(41)が残していた〝置き土産〟とは――。
今季を終えた岡本和に笑顔はなかった。「今シーズンは、本当にうまくいった時がないくらい日々ずっと試行錯誤していました」。好不調の波が激しく8月中旬からは4番からも外された。来季は19年連続(1962年~80年)の王貞治、7年連続(96年~2002年)の松井秀喜に次ぐ6年連続の30発超えとともに、自身初となる40発に挑戦する年になる。
岡本和の最多は21年に記録した39発。大台にあと1本届かなかった。その主砲のさらなる飛躍を願っていたのが村田コーチだった。来季からロッテの指導者となるが、今季まで在籍していた巨人時代にこんな思いを明かしていた。
「僕が40本打てた時は、40本以上打つことを目標にしていました。和真にも40本、50本を目指してほしい」。横浜(現DeNA)のスラッガーだった村田コーチは08年に46発を放ち、2年連続で本塁打王に輝いた。ハマの主砲も40発の大台を超えたのは、後にも先にもこの1度きり。当時を振り返ると39発に到達し、40号が飛び出すまでの間は「(壁が)ありましたね。タイトルも争っていたし、簡単には出なかった」と独特な心理状態に陥ったという。どうやって乗り越えたのか。
「やっぱり、こう(打球を上げようとかち上げるように)なっちゃうんですよ。気持ちも上がっているし。そうなったらゴロになる。そうじゃなくて、上からガンッて叩きつけるような。下を向いて打つけど、ボールは上にいく。大根切り? そうですね。そういうイメージで初めて打てた。体も気持ちも抑え付けるぐらいのイメージで、ちょうどレベル(水平)にいく」
無意識のうちにこみ上げる打ちたい欲求を力ずくで抑え付けるように〝大根切り打法〟の要領で壁をぶち破ったのだという。村田コーチは「(そのシーズン中に)言えれば良かったけど、チームが切羽詰まっていたので」と本人に伝えられなかったことに悔いを残していた。
来季からはリーグこそ違うものの敵同士となる。二人三脚で40発超えを目指すことはもうできないが、「男・村田」が残した〝秘技〟は岡本和をさらなる高みに導きそうだ。











