大手ディスカウントストアの「激安の殿堂ドン・キホーテ」が16日に公式キャラクターを、赤い帽子を被ったペンギン「ドンペン」から「ド情ちゃん」に交代すると発表したことで利用者から反対の声が上がった。結局、同日夜になってドンペン続投となったが、この騒動は一体なんだったのか――。

 ドンキ公式ツイッターは同日正午、「ドンキのオリジナルブランド『情熱価格』を皆様に知ってもらいたいという真摯な想い」を理由に、カタカナの「ド」の文字に手足が生えたキャラを今後は使用すると表明。ドンペンに引退勧告を突き付けていた。

 ドンペンは1998年から公式キャラをやっており、すっかりおなじみ。そんなドンペンの引退にネットは大荒れした。「嫌です。絶対嫌です」「今日はエイプリルフールじゃないんですよ」「ドンペンが去るなら私も去ります」とネガティブな反応で埋まった。

 そんな利用者の声をドンキも把握。ドンキ広報担当者は「お客様からSNSや店頭で『寂しい』とのお声を頂いています。『ドンペンの方がいい』『なんでだ』とお叱りに近い声もある。ドンペンはグッズ販売もありファンの方もいる。真摯に受け止めています」と話した。

 さらに、ドンキ社長も動き出し、日中は「緊急の役員会議をしております。交代するのかどうか、再度検討をしているところです」(同)と緊迫感が漂った。結局、会議の結果、ドンペンの続投が決定。公式ツイッターは文書で「全従業員一同未来永劫ドンペンを愛していく所存です」とドンペン愛を表明した。

 ドンペンファンには期待通りの結末となったが、一方で炎上商法を疑う声もある。実は15日にドンキ公式ツイッターで「マスコット交代とか何考えてんの?」と書き込まれ削除されるなど、今回の騒動の布石と思えるようなことが複数あったというのだ。

 炎上商法なのか? 広報担当者は「お騒がせして申し訳ないです。そう言われてしまうのは心外ですが、そう受け止めた方がおられるのはしようがないです」とした。また、ツイッターの削除については「担当者の不徳の致すところ」と話した。

 もっとも16日のツイッタートレンドランキングにはドンキ関係のワードが入るなど話題になったのは事実。「交代は粛々と行うつもりでしたが、予想以上の反響でびっくりしています」と担当者は話していた。

 ちなみに16日夜の発表で、新公式キャラクターのド情ちゃんの処遇に関しては言及はなかった。