【カタールW杯 森保ジャパン 表と裏③】森保ジャパンはカタールW杯で目標の8強以上には届かず、16強で戦いを終えた。優勝候補のドイツやスペインを撃破する一方で、格下のコスタリカに足をすくわれて大きな批判を浴び、最後はクロアチアに屈した。森保一監督(54)の求心力は〝本物〟だったのか――。

 森保監督の一番の強みは、その人間性だ。普段から礼節を重んじ、細かなところまで気配りを欠かさない。敗退が決まったクロアチア戦後にも、ピッチ上で深々とお辞儀をした姿は世界から称賛を集めた。

 主将のDF吉田麻也(シャルケ)は帰国会見で「いろんな監督とやってきたけど、間違いなく一番尊敬できる監督」と絶賛。広島時代から師弟関係にあるFW浅野拓磨(ボーフム)も大会中に「本当にさすがやな、しか言えない。スペイン戦も何回素晴らしいと言ったか。〝エグいな〟と。そういうのが正直な気持ち」と心酔している。

 浅野は指揮官の求心力の理由について「一人ひとりにサッカー選手としてはもちろん、一人の人間として見てくれている。サッカーがうまい、強い、速いとかより〝必要なもの〟がないと勝てない。それをしっかり見てくれて、選手以上にそこを見抜けていると感じる」。大舞台で力を発揮するための〝人間力〟を見抜く眼力。それがあるからこそ、今回のW杯でも抜てきした選手が次々と大活躍したのだ。

 指導者に対しても常に忖度なくものを言うMF久保建英(レアル・ソシエダード)も、体調不良で欠場したクロアチア戦前に名将ぶりを目の当たりにした。

「(森保監督が)部屋に来てくれて。僕はうつしたくなかったので『申し訳ないです、大丈夫です』と言ったけどハグをした。本当に何て言うんでしょう…みんなが僕の存在を忘れてもいいはずなのに、試合前にもかかわらず来てくれて、本当にすごくいい人だなと思った」。単に〝人がいい〟という枠に収まらない器の大きさを実感するとともに「こういう人のもとに勝ちは転がってくるんだろうなと思う」と指揮官の資質に感嘆した。

 歯に衣着せぬ物言いのMF柴崎岳(レガネス)も「森保監督と選手の関係から言えば、今のバランスは非常に良いものなんじゃないかな。自分の言ったことを全てやってくれという監督ではなく、ともに何かをつくっていきたいと選手の意思を尊重してくれる。それは大きくプラスに作用している」と指摘。イレブンからの支持は、やはり絶大だ。

 ベテランDF長友佑都(FC東京)が「歴代最強」と評した森保ジャパン。それを支えたのは、間違いなく指揮官の類いまれな求心力と言えそうだ。