同性婚を認めていない民法や戸籍法の諸規定は憲法違反だとして、同性カップルらが国に損害賠償を求めていた訴訟で注目判決が出た。東京地裁は11月30日、合憲と結論付け請求を棄却しながらも、同性愛者が家族になるための法制度がない現状を「憲法違反の状態だ」と指摘。2005年に同性愛者だと公言している前衆院議員の尾辻かな子氏は「大きな前進だ」と歓迎する一方で、岸田政権の本気度を問うた。
池原桃子裁判長は「同性愛者の人格的生存に対する重大な脅威、障害だ。個人の尊厳に照らしても合理的な理由はない」と国会に立法措置を促した。
今回の判決を評価したのが尾辻氏だ。2005年に著書「カミングアウト~自分らしさを見つける旅」(講談社)で同性愛者だと告白。同性愛者であることを公表した日本初の議員として、LGBT政策情報センターを設立して取り組んでいる。
尾辻氏は地裁の判決について「違憲状態という判決は前進だと思っています」と歓迎。「『同性愛者の人格的生存に対する重大な脅威、障害だ』と、ここまで書いてくれたのは大きい。司法が『違憲状態』とはっきり言ったことは、立法府や政府に対して早く立法しなさいと言ったということ。国会、政府は立法に向けて動き始めるべきだ」と語った。
日本の人口の10%ほどといわれるLGBT。言葉こそ取り上げられることが多くなってきたが、日本における性的マイノリティーへの理解度はまだまだ低い。
司法からの要請を受け、立法、行政の姿勢も問われるが、尾辻氏は「公明党は選択的夫婦別姓などは賛成してますし、同性婚も積極的に同性パートナーの権利に意見している。公明党から自民党を動かしてほしい」と期待した。
一方で、政府・自民党では岸田文雄首相が、過去にLGBTについて「生産性がない」と表現した杉田水脈氏を総務政務官として起用。杉田氏はアイヌ民族をやゆするブログ投稿でも批判されているが、同30日の参院予算委員会で岸田氏は「政府の一員になった以上、政府の方針に沿って職責を果たしてもらう」と野党の更迭要求を突っぱねている。
「杉田さんは発言を撤回していないので、早く撤回してほしい。そんな杉田さんが総務政務官になったことは、岸田内閣として杉田さんの発言を容認しているというメッセージになる。司法が前向きな判決を出して、本来は政府がやらなければいけない時に、杉田さんを選んだり、更迭できなかったりする内閣が本当に立法できるんですかというところは疑問です」
「検討使」とやゆされる岸田首相。政権の本気度が問われている。












