【日本の外食チェーン 世界でもすごかった】海外進出で成功している外食チェーンが現地で提供するメニューは日本と同じではない。店舗のつくりやサービスも異なるのだが、いったい、どんな違いが? そして、そこから見えてくるものとは? ビジネスのヒントにもなる新企画の1回目は、海外で303店舗(2022年10月末時点)を展開する日本でも大人気のステーキレストラン「ペッパーランチ」。お肉とご飯をアツアツの鉄皿で食べるスタイルは海外でも受けているが、メニューなどには意外な違いも…。

こちらの「サバ&サーモンソテー」も海外限定.jpg
こちらの「サバ&サーモンソテー」も海外限定.jpg

 メニューの違い

「日本ではビーフペッパーライスやハンバーグ、ステーキといったお肉のメニューを提供していますが、海外ではお肉以外のメニューが充実しているんです。例えば、サーモンの切り身をご飯と一緒に盛り付けた『サーモンペッパーライス』や、焼いたサバに照り焼きソースをかけた商品があります」

 こう説明してくれたのは㈱ホットパレットの松本純男代表取締役。「ペッパーランチ=肉」というイメージとは異なる“海外仕様”だが、これには宗教の関係からお肉を食べられない人がいるという事情が関係している。とはいえ、食材を鉄皿でおいしく食べるにはどうしたらいいかを追求してきた同社の技術をもってすればシーフードメニューだってお手の物。特に前出のサーモンペッパーライスは海外で非常に人気があるという。

「他にもパスタやカレー、肉や魚といった動物由来の食材を食べないベジタリアン向けに豆腐とご飯と野菜を使ったメニューも取り揃えています」(以下すべて松本氏)

 もちろん、お肉の種類も豊富で、アメリカの店舗でリブアイやサーロインなど日本よりも種類が充実しているのはいかにも“ステーキ大国”といったところ。ちなみに、海外店舗でのメニュー開発は、様々なアイデアで生まれた商品を提供していく中で人気があったものをレギュラーメニューに取り入れるような形で行っているそうだ。

 
こちらはアメリカの店舗
こちらはアメリカの店舗

 店舗の特徴は…

 日本のペッパーランチの店舗は、カウンター席があり、おひとり様でも気軽に入ってサクッと食事ができるような雰囲気があるが、海の向こうでは違う。

「海外の店舗は広い店内にテーブル席を設けており、家族やカップルなど2人以上のお客様が多く利用されています。日本の店舗よりもファミリー向けのレストランといった雰囲気がありますね」

 そんな中、現地で支持されるため、こんな工夫も。

海外展開について語った松本純男代表取締役
海外展開について語った松本純男代表取締役

 コロナ禍での変化

「日本のレストランの雰囲気を楽しんでもらうためにスタッフにはあえて日本語で『いらっしゃいませ』とあいさつをしてもらっています。丁寧な接客や料理の味など現地のお客様にとっては“日本のレストラン”というと安心できるイメージがあるようです」

 現在、国外では15か国で計303店舗を展開中(2022年10月末時点)。特に店舗数が多い国は、インドネシア(65店舗)、フィリピン(56店舗)、タイ(51店舗)の3か国だ。

「新型コロナの感染状況が厳しい時期は国内に加え海外も少しずつお店が減っていきました。22年に入ってからはシンガポールの店舗に客足が戻るようになり、ようやくコロナ以前のように回復しつつあるといった印象があります」

 しかし、インドネシアやフィリピンの新型コロナの感染状況は現在でも波がある状態で、感染者が増えると外出自粛が始まり夜の食事が制限されてしまうので現地の店舗の経営も厳しくなる。一方で、アメリカやオーストラリアは日本よりもコロナ禍からの回復が早かったため、昨年暮れあたりから売り上げが回復しているという。

新発売の「牛すき焼き」
新発売の「牛すき焼き」
こちらは「ヒレステーキ」の120グラム
こちらは「ヒレステーキ」の120グラム

 人気メニューを逆輸入

 同社では12月8日から「牛すき焼き」を発売するのだが、実は海外の一部の店舗では既にレギュラーメニューとして販売されている商品だ。

「日本らしさを感じられる商品として大変人気があるメニューなのですが、今回ついに日本でも期間限定で提供することになりました。3種類の醤油と醤油もろみを使用したこだわりのタレや、鉄皿に乗った卵をお客様の好きな火加減で楽しんでいただけるような商品です」

 まさに“海外から見た日本”という意識があるからこそ生まれたメニュー。海外進出で成功している企業だからこその新商品に注目だ。

 ちなみに同日から、ヒレステーキも期間限定で発売予定。柔らかいヒレステーキ肉なので、中高年にも食べやすい。