日本フェンシング協会の武井壮会長(49)が19日までに、任期満了のタイミングで退任の意向を示していることがわかった。

 昨年6月に五輪2大会銀メダルの太田雄貴前会長(36)からの要請を受けて就任。当初は断っていたが、陸上の十種競技で日本一に輝きながらも、アスリートとしては知名度を上げることができなかった経験から「スポーツ選手で競技だけで成功する人は非常に少ない。アスリートだけがギャンブルのような状態では、安心して過ごせるアスリート界ができない。たくさんの人に応援されて、自分の人生を豊かにすることができるスポーツ界をつくりたい」との思いで大役を担ってきた。

 しかし、関係者によると、エペ日本代表が6月の沖縄合宿でレジャーに興じていた問題が明るみとなって以降、太田前会長との関係性が悪化したという。7月の取材では、会長職の続投について「みなさんが決めることなので、どうなるかわかりません」と言葉を濁していたものの、苦渋の決断を下すことになりそうだ。