“愛子天皇”の目はまだ消えていない――。安定的な皇位継承策を巡って、女性皇族が結婚後も皇室に残る案や旧宮家の男系男子の養子縁組プランなどが示され、女性・女系天皇案は封印されたかに見えたが、永田町のパワーバランスが崩れたことで、議論の流れが変わる可能性が出てきた。天皇、皇后両陛下の長女愛子さま待望論が再燃する流れになってくるのか。
「女性・女系天皇の容認派だった菅義偉元首相や河野太郎デジタル相がどうかじを切り直すのかに期待したい」と話すのは皇室系ユーチューバーで、「女性天皇と共に明るい日本を実現する会」代表の久保田京氏(45)だ。
同会は今月、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授(70)をゲストに招き、オンライン講演会を開催。小田部氏は野田政権で行われた「皇室制度に関する有識者ヒアリング」の対象有識者に名を連ねていた。小泉政権下では女性・女系天皇の容認論が出ていたが、安倍政権下で女性皇族への継承資格論が消え、男系ありきにねじ曲げられてしまった経緯を説明した。
実際、今年1月に岸田文雄首相が国会に提出した政府の有識者会議の報告書では、女性皇族が結婚後も皇室に残る案や皇籍を離脱した「旧11宮家」の男系男子を養子縁組して皇族に復帰する案などで、女性・女系天皇は議論する状況ではないとしている。もっとも国会の場での議論は棚上げ状態で、一向に進んでいないのが現状だ。
そんな中、小田部氏は安倍晋三元首相の死去により皇位継承策を巡る議論の局面が今後、変わる可能性を指摘する。政権与党内で最も影響力を誇った同氏の死去で、既に各方面に影響が出ている。党内最大派閥の安倍派は分裂含みで政局に発展する可能性もある。
「男系論者の中心にいたのは安倍さんで、求心力があったので、その周りでいろんな人が動いていた面がある。(亡くなった後に)旧統一教会やオリンピックの汚職問題が出てきた。オリンピックの問題で、特に竹田(恒和=日本オリンピック委員会前会長)さんの成り行き次第で、旧宮家の復帰問題に大きな影響を与える」(小田部氏)
男系男子派の牙城ともいえた安倍氏の死去で保守系も後ろ盾を失った。さらに五輪汚職で東京地検特捜部が竹田氏を任意聴取するなど捜査のメスが入っている。竹田家は旧11宮家の一つであり、皇族復帰の可能性にも影を残すとしている。
現在、皇位継承権を持つのは秋篠宮さま、その長男の悠仁さま、常陸宮さまの3人のみ。昨年、成人した愛子さまは皇室典範が改正されなければ、秋篠宮家の長女・眞子さんと同じように結婚した場合は皇籍を離脱することになる。世論調査で将来の天皇として待望論が大きい愛子さまだが、議論する時間も含めて、残された時間は限られている。
久保田氏は「女性天皇容認派だった菅さんや河野さんらが要職に就くことで、男系男子に意見を変えなくてはいけなかったことを考えると、安倍さんが亡くなったことで、再び女性天皇容認派になることを願っている」と話した。女性・女系天皇の容認に向けて、世論喚起していくという。











