【取材の裏側 現場ノート】カタールW杯に臨む日本代表メンバー発表が11月1日に迫る中、当落に注目が集まっているのがMF柴崎岳(30=レガネス)だ。

 森保ジャパンでは発足当初から不動のレギュラーだったが、W杯アジア最終予選の途中から控え扱いとなり、9月のドイツ遠征では2戦目のエクアドル戦に先発しながら攻守に精彩を欠いてアピールはならなかった。

 ポジションを争うMF旗手怜央(24=セルティック)が欧州チャンピオンズリーグ(CL)を中心に活躍を続けており、メンバー発表を前に〝柴崎不要論〟も沸き上がっている。

 一方で、W杯だからこそ柴崎に期待できる部分もある。それは大舞台で力を発揮する強心臓ぶりだ。2018年ロシアW杯で西野ジャパンの司令塔として16強躍進を導いたのは記憶に新しいが、最近も柴崎のメンタルの強さに記者は驚くことがあった。

 柴崎がレギュラー落ちするキッカケとなった昨年10月の最終予選サウジアラビア戦後に、自身への猛烈なバッシングが吹き荒れる中で「過去がどうだったから、どうしなきゃいけないとか思っていない。良いほうに転ぶこともあれば失敗に終わることも出てくるのがサッカー。周りの期待値やストーリー、いろんなものはあるけど個人の感想や願望に対しては何も意見はしない」と全く動揺することがなかった。

 そこには柴崎の信念があり「キャリアを積んできた中で、自分がフォーカスする部分に整理が付き始めている。周りの環境や他者の意見は、結局他人でしかない。そこを肯定も否定もするつもりはない。受け入れたり、排除していく作業の部分で、自分とその周りの関係性というのは選手個人で折り合いをつけていく部分」と説明した。

 紆余曲折はあったが、森保ジャパンの一員としてカタールW杯の舞台で再び輝きを放つ自身の姿が柴崎の目には見えているのかもしれない。森保監督はまな弟子の力を最後まで信じるのか、それとも…。

(サッカー担当・渡辺卓幸)