平昌五輪スピードスケート女子500メートル金メダルの小平奈緒(36=相沢病院)は、今も進化を続けている。

 現役生活ラストレースとなる全日本距離別選手権(21~23日、長野・エムウェーブ)の500メートル(22日)を前に、3日に同会場で練習を公開。北京五輪直前に痛めた右足首の状態も5月末の段階でほぼ完治するなど、順調な調整ぶりをアピールした上で「最後の舞台では、できるだけ多くのみなさんと共鳴できるような空間をつくることができたら、夢に描いていた景色を見ることができるのでは」と声を弾ませた。

 4月に現役引退の意向を表明してからも、例年通り練習に励み、6月には島根・隠岐の島での個人合宿を敢行。「環境を変えることによって刺激を受けられる」と、自然に触れながら己を見つめ直した。すると、8月にショートトラックの1000メートルで自己ベストを更新。「結城コーチから『10年先までやれる』と最高の褒め言葉をいただきました」と笑顔を見せた。

 誰よりもスケートを愛してきた小平。最後の日が刻々と迫ってきたが、ストイックさは健在だ。「アスリートとして1つのレースに向かうということは、本当に感覚を研ぎ澄まさないと、自分が本当に表現したいことが乗ってこないので、そこは譲らずにレース本番は感情を遮断してでも、感覚を研ぎ澄ませた本物のアスリートとしての滑りを子供たちに見てもらえたら」

 目標は「過去の自分を超えるような滑り」。〝氷上の哲学者〟はラスト1本にすべてをささげる。