引きずらなかった。大相撲秋場所千秋楽(25日、東京・両国国技館)、元大関の幕下朝乃山(28=高砂)は幕下栃幸大(23=春日野)を押し出して6勝1敗。左に逃れる相手を力強く土俵外に退け、取組後は「この前は土俵際で突き落とされたので、それを頭に入れながら前に攻め切れました」と振り返った。
今場所を白星で締めくくったが、納得はしていない。11日目(21日)の6番相撲で幕下勇磨(阿武松)に痛恨の黒星を喫したからだ。朝乃山は新型コロナ対策の規則違反による6場所連続出場停止処分を経て、7月の名古屋場所で約1年2か月ぶりに復帰。西三段目22枚目で全勝優勝を果たし、今場所は東幕下15枚目まで番付を上げた。
しかし、全勝Vを逃して11月の九州場所での再十両が消滅。朝乃山は「手をついて負けたときは頭が真っ白になった」という。また、部屋に帰ってからも「元気が出ないというか、落ち込んでいました」
目の前の一番に集中していたのは間違いない。その一方で「少し考えていた」と、関取復帰が頭をよぎっていたことも認めた。「自分の中では本当に今場所決めたかった。でも、それができなかったので悔しかった」と唇をかんだ。
それでも母・佳美さんから連絡が入り「あと一番しっかり自分の相撲を取り切って」と励まされ、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)には「次が大事だ」と声を掛けられて気持ちを切り替えた。悔しさを味わった相撲は「何十回も見た。体がいつもよりちょっと硬かった気がしますし、その中で土俵際の詰めといいますか、そこが今の自分の実力不足だなと痛感した」と反省し、この日の土俵に臨んだ。
元大関は「終わってみれば6勝1敗という数字ですが、自分の中では全然ダメ。今場所は自分としては全部が悪かったので、しっかり来場所に向けて稽古に励んでいきたい」ときっぱり。来場所こそ十両復帰を確実にするつもりだ。












