完全復活なるか。大相撲秋場所10日目(20日、東京・両国国技館)、横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)がヒザの古傷を悪化させて休場。師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)は手術も視野に入れていることを明かした。長期休場の可能性が高まる中、横綱の復活へ向けて専門医による精鋭チームが結成されたことが判明。万全の状態での土俵復帰を目指す構えだ。

 照ノ富士は日本相撲協会に「両変形性膝関節症、右膝骨挫傷で3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出。師匠の伊勢ヶ浜親方は「痛み止めの注射などを打ちながらやっていた。(ヒザは)どっちも悪いが、右のほうが悪い。骨が完全にずれている。場合によっては手術も必要になってくると思う」と説明した。手術に踏み切れば、11月の九州場所を含めて長期休場は避けられない。

 一方で、横綱本人は復帰までに時間がかかったとしても、ヒザを万全に近い状態に戻すことを望んでいる。照ノ富士はヒザの古傷が悪化する中、周囲に悩める胸中を次のように漏らしていたという。「自分には横綱の誇りがある。このまま出れば当然8勝、9勝できるけど、それが横綱の相撲としていいのかというと、そうは思わない」

 番付最高位として出場する以上、優勝争いをすることが最低限の務め。横綱の言葉には、中途半端な状態では土俵に上がれないという強い覚悟がうかがえる。こうした本人の意向を受けて、千葉・船橋整形外科クリニックの高橋憲正医師(スポーツ医学)を筆頭に各分野のスペシャリストが集結。〝精鋭チーム〟が復帰をサポートすることになった。

 部屋関係者は「こちらの病院は(プロ野球の)田中将大投手(楽天)やダルビッシュ有投手(パドレス)が通うなど、アスリートに特化しています。そこで下肢、ヒザ、麻酔、リハビリ、内臓系などの各部長が集まり、復活に向けてチームを作ってやっていきましょうと言ってくれたので、最善の治療ができると思います。あとは横綱本人の気持ちと復帰時期のプランニングです」と明かした。

 照ノ富士は、大関から序二段まで転落しながら番付の頂点まで上り詰めた精神力の持ち主。今回も不屈の闘志で、完全復活を目指していく。