北京五輪で1000メートルの金を含む4個のメダルを獲得したスピードスケート女子の高木美帆(28=日体大職)は、自らの道を真っすぐ突き進んでいる。

 2度の五輪で7個のメダルを手にし、夏季を含めた日本女子最多記録を樹立。歴史に名を刻んだ高木は、昨季限りでナショナルチーム(NT)のヘッドコーチを退いたオランダ出身のヨハン・デビット氏と新チームを結成し、新たな一歩を踏み出した。

 NTとは違い、一から自分でやる作業が格段に増加。24日に長野・菅平で公開練習後、取材に応じ「工夫のしがいもあるなというふうに思っていて、前向きにとらえている」と話した一方で「NTという存在の大きさだったり、環境のありがたさは強く感じる」と吐露する場面も見られた。

 報道陣からは「速くなるためには遠回りでは」との質問も。しかし、高木は迷いなく言い切った。

「遠回りになっている可能性もあるかもしれないが、私の中で何かを始めたりとか、いいものにするというためには、それなりの時間も要するものだと思っている。確かにしんどい時もあるし、うまく行かないと落ち込んでしまう時もあるけど、ここを超えたら、また違う未来が待っているかもしれないと思っている」

 北京五輪を経て、姉・菜那さんなど、複数の先輩選手が引退。さまざまな境遇が重なる中で、自身のレベルアップ、スピードスケート界のさらなる発展のため、あえて難しい選択を下した。「新しいことに挑戦したい」。高木の目は、唯一無二の輝きを放っていた。