新時代に担う役割とは――。スピードスケート女子の佐藤綾乃(25=ANA)は団体追い抜き(パシュート)で2018年平昌五輪金メダル、2月の北京五輪では銀メダルを獲得。一方で、昨季限りで高木菜那さん(30)が引退し、高木美帆(28=日体大職)もナショナルチーム(NT)を離れた。本紙単独インタビューの後編では周囲の環境の変化による葛藤を明かしながらも、中心選手として日本を引っ張る覚悟をのぞかせた。
――新シーズンが幕を開けたが、周囲の環境が大きく変わった
佐藤 本当に環境の変化というところが一番大きいです。五輪が終わった直後なので、すぐに4年後を考えられないのもありますが、NTのメンバーも替わって、引退した選手も多い。どうしても長い間ずっと同じ環境で同じメンバーでやってきたので、そこの急な変化にまだ対応できていないのかなという難しさは感じています。
――今後はチームを引っ張る立場。不安は
佐藤 初めてNTに入ってきた選手もいますし、世界で戦う経験をしている選手が少ないところもあるので、何を伝えていけるのかなと今でも考えながらやっています。美帆さんや(小平)奈緒さんのように、世界のトップで長く活躍してきたわけではないけど、私なりにやっていく上で行動や言葉で伝えていけたら、うまくこのチームでもやっていけるのではと思います。
――佐藤選手だからできることもある
佐藤 美帆さんや奈緒さんと同じようにはできないと思うし、私もまだまだ経験も足りないと思いますが、先頭を走っていくというよりも、少ない経験の中でも伝えられることはたくさんあるはず。私がNTに入りたてのときは、当時のパシュートのスピードについていけない時期もあったし、苦労してきたところもたくさんあった。きっとそういうふうに、今どうしようと悩んでいる選手もたくさんいるはずなので、私の言葉で私なりに伝えていけたら。
――4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪は目指すのか
佐藤 いや、どうですかね…。なんだかんだやっているとは思いますけど(笑い)。今まで先輩しかいなかった環境でやってきて、私の前を走ってくれている先輩方が多いチームだったので、環境的なところでもスイッチが入らない部分もあります。氷上練習が始まって、大会に向けての準備が始まれば自然とスイッチが切り替わってくれると思います。
――自身が求める理想の滑りは
佐藤 結果と気持ちの部分で身体がつながったと思えたのは、今までで北京五輪の1500メートルだけで、滑り終わった後の満足感、達成感というのが今まで感じたことのないものでした。でも、ちょっと悔いも残っていて、五輪前のW杯前半戦で3度表彰台に立っていたのに五輪でメダルを獲得できなかったのは、調子の合わせ方が100%自分に合っていたとは言えなかったということだと思う。100%、またはそれ以上の自分の力を発揮できるようなレースの組み方、スケーティングを改めて考えていかないといけないと思っています。
――今後の夢や目標は
佐藤 スケートを続けていくのであれば、人生の中で私が今まで経験してきたことを後輩たちなどに伝えていけたらいいなと思っていますし、尊敬される選手になりたいです。人から尊敬されることはそんなに簡単なことではないけど、私の行動や発言次第で変わってくると思う。この選手好きだなと思ってもらえるような選手になりたいし、私という人間を知ってもらった先の最終ゴールが尊敬される選手であれば、満足できるスケート人生だったと言えると思います。
☆さとう・あやの 1996年12月10日生まれ。北海道出身。小学1年からスケートを始め、高崎健康福祉大を経てANAに入社。2018年平昌五輪は3000メートル8位入賞、団体追い抜き(パシュート)では金メダルを獲得。日本女子冬季五輪史上最年少金メダリスト(21歳73日)となった。北京五輪は1500メートルで4位、マススタート8位と個人2種目で入賞を果たし、パシュートは銀メダルを手にした。プロ野球日本ハムの佐藤龍世内野手は同学年のいとこにあたる。157センチ。












