相手からすれば「不思議の勝ち」だったことだろう。阪神は延長11回、5時間17分に及んだ6日のヤクルト戦(甲子園)に6―8で競り負けた。得点経過だけ見れば逆転に次ぐ逆転の好ゲームだったが、終盤の戦いに虎の〝勝負弱さ〟が際立った。
阪神は4―5の7回に2番手で岩崎を投入。二死から連打と四球で満塁とされ、前の打席で52号ソロを放っている村上を迎えた。7月31日(甲子園)の対戦では2―1の9回一死走者なしから、やはり前の打席が本塁打だった村上に同点ソロを被弾。絶体絶命のピンチとも言えたが、岩崎は二ゴロに仕留めてリベンジに成功した。
すると直後の攻撃で、阪神は石山を攻め立て二死二塁の好機をつくり、マルテの当たり損ねの右前適時打で同点。流れは阪神のペースになるかにみえた。だが、その7回から延長11回までの5イニングで阪神は毎回先頭打者を出塁させるなど、9安打を放ちながら決定力に欠く内容。2点を追う11回は連打で無死一、二塁から佐藤輝が三振、糸原が遊飛、ロハスが三振でゲームセットを迎えた。
他球団の関係者が「1点が欲しい場面での緻密な野球を、今年の阪神から感じた場面は少ない。チャンスの芽をつくってもその後が続かない。敵としてはありがたいですけどね」と話したように拙攻は否めなかった。
村上が野村克也氏に並ぶシーズン52号本塁打を放った一戦となっただけに思う。遠い天国で阪神、ヤクルトの両軍を指揮した名将は「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」と、つぶやいているのではないかと…。












