ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は3日、首都キーウで国際オリンピック委員を訪れた(IOC)のトーマス・バッハ会長と会談し、ロシアの侵攻がウクライナのスポーツ界に与えた影響などについて語った。IOCは2月、ロシアの侵攻を非難する声明を出している。

 ウクライナ大統領府のホームページによると、ゼレンスキー氏は「10万人以上のアスリートが練習の機会を持てない。数百のスポーツ施設が破壊された」と話した。多くのアスリートが国家防衛のため軍などに参加。戦争によって現在までにアスリートとコーチの計89人が死亡し、13人がロシアに捕らわれているという。

 ゼレンスキー氏はバッハ氏に、IOCが新たなウクライナ支援のパッケージを決めたことへ感謝の意を示した。被害を受けたスポーツインフラの復旧についても話し合われた。両氏はまた、「テロリスト国家」の選手を国際競技会に参加させない努力を国際社会が続けていく必要性にも注意を向けたという。

 ウクライナは陸上男子棒高跳びの元世界記録保持者の「鳥人」セルゲイ・ブブカ氏の出身国で、同氏はIOC委員と国内オリンピック委員会の会長などを務める。バッハ氏は東京五輪後の昨年9月にもキーウを訪れており、同国オリンピック委員会の創設30周年を祝い、ゼレンスキー氏と面会。同氏はウクライナへの冬季五輪招致の決意を示していた。