2日未明に発生した通信大手KDDI(au)の通信障害について、同社は4日朝、データ通信はおおむね回復したと発表した。復旧作業は3日に終えたが、音声通話は利用しづらい状況が続いている。スマホなしでは成り立たない現代社会を大混乱に陥れた今回の障害について、危機管理の専門家は、一分一秒を争う中で通信できない怖さと、スマホに頼り切らない意識を持つことの重要性を説いた。
3日にはKDDIの高橋誠社長が、都内で会見を開き、障害の影響は携帯電話の利用者など最大3915万回線に及んだと明かし、「多大なご迷惑をお掛けし、深くおわび申し上げます」と陳謝した。
3日夕方に復旧作業が終了したが、通信量の制限は続けており、システムが正常に稼働するか検証した上で、本格的な再開時間を決めるという。
今回の障害の影響はKDDIの利用者にとどまらず、回線を借りる楽天モバイルなど他の事業者の顧客や、貨物列車の運行、外部との通信を利用して多様なサービスを提供する「コネクテッドカー(つながる車)」のサービスなどにも広がった。登山中に骨折した人が救助の電話ができないなどのトラブルや電子決済ができないトラブルも発生した。
総務省消防庁はツイッターで「KDDIの通信障害について」と題し、「現在、KDDIと同回線使用会社の一部で、通信・通話に障害が発生し、電話がかかりづらい状況となっています。緊急時は他社の携帯電話や固定電話から119番通報をするか、お近くの消防署に駆け付けるなど直接通報してください」と異例の通知を行った。
元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏は「消防や救急ってのは一分一秒が大事。その状態で通報できないとなると一大事につながる。われわれの目線で言えば、火災、救急、救助、交通事故がシャットアウトされるわけだからね。怖いよ」と指摘する。
金子氏によると、一般の木造家屋で火災が発生した場合、出火から10分で火災はピークに達する。その温度は1100度にもなる。
さらに、今夏は記録的猛暑で熱中症患者が増加。コロナの陽性者も加わり、救急車の出動回数も増えている。
「熱中症だと、通報した時には脱水症状を起こして熱が出ている。人間は呼吸が止まって4分を過ぎると、生き返る力がガクンと落ちる。4分以内に蘇生措置をしないと、蘇生しても障害が残る確率が高くなってしまう。いち早く見つけて助けないといけない」(金子氏)
実際、自分がそのような状況に置かれる可能性はゼロではない。
金子氏は「スマホがあれば何でもできるけど、便利で安心しすぎているのが良くない」とスマホの利便性は代えがたいとの認識を示した上で、「昔のように鐘をたたいたり、のろしを上げたりってわけにはいかないけど意識は持っていた方がいい。無線を予備で持つとか。警察官が交通整理で吹いているような呼子笛でもいい。鳴らしてたら、誰かが気付いてくれる」とスマホだけに頼り切らない意識を持つことが自分の身を守ることになると説いた。
また、「この際、有線電話の新たな運用も考慮すべきではないか。例えば、全国のコンビニやファミレスなどの店頭や店内に公衆電話の再配置も必要では」と提案した。












