伝説の銀座スカウトマン高橋央延氏が、このたび「―銀座ホステスに見た『運』の正体―運をつかむ人 運を逃す人」(青志社)を出版した。高橋氏はスカウト歴55年、これまで2000人以上の銀座ホステスを誕生させてきた。そんな“生きる伝説”が至った結論は「銀座ホステスに必要なのは容姿より運」。一流銀座ホステスの人間関係術に運をつかむヒントがあるという。高橋氏が運の正体、そして銀座の今を語った。
コロナ禍における自粛要請のあおりを受けた銀座の街にも活気が戻ってきた。銀座の高級クラブは「座って4万円、ボトルを入れたら10万円」が相場といわれている。一般的なサラリーマンには敷居の高い場所だ。
経済的な成功者たちが集う社交場にもコロナ以降、変化があった。55年にわたり銀座を見てきた高橋氏は「まずお客さんの服装が変わった。なぜかと言うと、20代から30代前半ぐらいの若い人が銀座のクラブに飲みに来るようになった。若い人たちはカジュアルな服装で来ますからね」と話す。
運が人生に影響を与えるという意味では、銀座に通える人は経済的な成功者であり、運に恵まれた人だ。高橋氏は「今、銀座に通っている人たちは運を背負っている。そういう意味では銀座のクラブには運気が集まっているんです」と話す。
銀座の街は移ろいやすい。高橋氏は銀座で成り上がっていく者、運を逃し去っていく者を多く見てきた。独立しオーナーママになるホステスがいれば、銀座を去っていくホステスもいる。両者の違いは「運気の見本市の中にいるという視点」と明かし、「賢者は幸運な人間と不運な人間のどちらからも学ぶ」が高橋氏の持論だ。
女性をスカウトするにあたり「運を持った性格美人を探します」という。女性との会話の中で運を持った金の卵であるかを見極めていく。「運を持っているかは、運をどう考えるかに尽きると思います。努力=成功じゃなくて運をつかむ努力ができるか。運をつかめる人は真面目、素直、人の話をしっかり聞ける。そういう子たちは運が回ってくると思いますよ」
“銀座のナンバーワンに美人は少ない”という言葉もあったほど。
「昔は本当にキレイな子は仕事しなかった(笑い)。お店も甘やかすから、どんどんテングになっちゃってね。今は、コロナを経験して、キレイな子ほど一生懸命に働いてます」
芸能界でスカウトするならと質問すると、タレントの指原莉乃と女優の浜辺美波を挙げた。「指原さんの人間関係術は素晴らしい。何より2人とも笑顔がいい。運というやつは笑顔が好きなんです」と、やはり運気が基準のようだ。
昨年、「親ガチャ」という言葉が若年層を中心に広がった。生まれてくる家庭環境に人生を左右され、どんな親のもとに生まれてくるかは運次第。そんな若者に対して高橋氏は「運のせいにするのは運に頼ってるから。努力でなんとかなるものまで運のせいにすると、ますます負のスパイラルにハマってしまいます」と諭す。
スカウトは断られることが大半で、名刺を受け取ってくれるのは10人に1人。連絡先を教えてくれるのは50人に1人、実際にスカウトできるのは1000人に1人いるかどうか。そんな厳しい世界でいかにして伝説のスカウトマンとなったのか。
「運を運んでくるのは人であり、運を引き寄せるのは出会いです。出会いを大切にしたから、長く続けられることができています」。高橋氏は、今日も鋭いまなざしで銀座の街並み、そして運気の流れを見つめている。












