男子ゴルフのタイガー・ウッズ(46=米国)の偉大さが改めて証明された。

 ウッズがゴルフ界の枠を超えたスーパースターであることは、もはや言うまでもない。米ツアー通算勝利数歴代トップタイの82勝、メジャー通算勝利数は歴代2位の15勝。その人気ぶりで米ツアーの賞金額を一気に上げたほど。スキャンダルにまみれた時期もあったが、2019年の「マスターズ」で復活勝利を挙げた。

 昨年2月の自動車事故で右脚に重傷を負ったが、4月の「マスターズ」で電撃復帰してから、3戦目となったメジャー最終戦「全英オープン」(英国・セントアンドリューズ・オールドC)は2日目(15日)で姿を消した。それでも同日の最終18番での感極まった姿は、見る者の心を揺さぶった。

 そんなウッズに対して、米ツアー通算5勝でかつて〝悪童〟と呼ばれたケン・グリーン(63=米国)が、〝アンチ・ウッズ〟にもかかわらず、住居を構えるフロリダ州の地元メディア「パームビーチポスト」に「タイガーは米ツアーを救ったかもしれない。彼が歩けば、多くの人がついていくだろう。彼はその点では評価できる」と称賛した。

 もしウッズが、サウジアラビア政府系ファンドが支援する超高額賞金の新ツアー「LIV招待」へ参戦しようものなら、一気に選手が流れ、米ツアーが衰退するかもしれないからだ。すでに大金を稼いでいるとはいえ、1億ドル(約133億円)とも報じられた契約金にも目をくれず、オファーを断った。全英開幕前の公式会見では新ツアー批判も展開した。

 米ツアーはLIV組のツアー資格を停止する強硬措置を行ったが、選手流出を止めるという意味では、ウッズの影響力にはかなわないだろう。ジェイ・モナハン会長をはじめとした米ツアー幹部は、まだまだウッズに頼らなければならないということか。