8月2日(日本時間3日)に迫ったトレード期限を前に注目の的となっているエンゼルスの大谷翔平投手(28)を巡り、意外な方面から“心配の声”が上がっている。

 同投手はベーブ・ルース以来104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」をかけて臨んだ28日のレンジャーズ戦に「1番・投手兼DH」で出場し、6試合連続の2桁奪三振(11K)を記録したものの、6回8安打2失点で今季6敗目を喫した。

 試合後の囲み取材では投球や打席での内容に関する質問だけでなく、トレードに関しても問われ「残りたいかどうかというより、やることをやるしかないですし、どこにいても何をやるかは変わらない。もちろん今までお世話になったところでもありますし、ファンの人ももちろん好き。今はエンゼルスにいる以上、1試合1試合勝ちたいなという気持ちで、また明日もあるので切り替えていきたいなと思います」と胸中を明かした。

 チームは42勝58敗(29日現在)でア・リーグ西地区の4位と低迷。首位アストロズとは23・5ゲーム差とプレーオフ進出の可能性も低く“駆け込みトレード”では売り手に回ると見られている。実際、複数球団が大谷のトレードについて問い合わせしているとの情報もあるほどだ。

 そんななか、米ヤフー!スポーツは「大谷翔平がナ・リーグ球団にトレードされたら、賭博界はカオスになる」と意外な視点から大谷の去就に注目した。BetMGMのア・リーグMVP争いに関するオッズは、29日現在、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が「マイナス145」でトップに立ち、大谷は「プラス110」で2位。ドラフトキングスやファン・デュエルなどでも同様の数字で、3位のヨルダン・アルバレス(アストロズ)を大きく引き離し、ジャッジと大谷の一騎打ちの様相を呈している。

 同サイトによれば、7月上旬の段階でBetMGMのアMVPを大谷にかける人は全体の24・9%と両リーグ合わせてもダントツ。しかし「その段階では、まだ大谷がナ球団へトレードされる可能性は取りざたされていなかった。万が一、大谷がメッツやドジャースなどナ球団に移籍した場合、ジャッジのオッズは大きく変わる」。だからこそ、アMVP争いでひと儲けを考えている人たちは大谷のトレード話に高い関心を寄せているわけだ。

 もしも大谷がナ球団に移籍した場合、MVP獲得の可能性は今よりも複雑化する。1984年にリック・サトクリフ投手がインディアンズからカブスへ移籍したケースでは、6月13日のトレード後に新天地で16勝1敗(計20勝6敗)の好成績を残したことからナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞した。一方で97年途中にアスレチックスからカージナルスにトレードされたマーク・マグワイア内野手はシーズン通して58本塁打、128打点だったが、移籍後の成績は24本塁打、42打点だったことからナMVP投票は16位にとどまった。

 もっともシーズン中にリーグをまたいだ二刀流選手のMVP事例などあるはずもない。賭けの対象として大谷を見ている人たちは、トレード期限を迎えるまで気が気ではないだろう。

 その大谷は29日(同30日)の本拠地でのレンジャーズ戦に「2番・DH」でフル出場したものの4打数無安打に終わり、27日のロイヤルズ戦の第5打席から9打席連続ノーヒット。チームも2―7で敗れた。