ソフトバンクは4日の西武戦(ペイペイ)に1―4で敗れ、同一カード3連勝とはならなかった。首位は変わらないが、2位西武、3位オリックスとはゲーム差なし。パ・リーグの覇権争いは一層混迷を極めてきた。

 すでにカード勝ち越しを決めて臨んだ「首位攻防」第3ラウンド。先発はエース・千賀滉大投手(29)だった。右腕にとっては新型コロナ感染からの復帰2戦目。「コロナ明けで体調がおかしいところは結構あります。でも、そういうことを言っている場合じゃない」。

 不安要素を一切遮断して、気迫は十分だった。初回いきなり160キロをマーク。「伝家の宝刀」フォークのキレ味、落差も抜群で相手につけ入る隙を与えなかった。5回まで無安打投球。6回先頭に初安打を許したが、少ない球数で完封ペースだった。

 暗転したのは7回だ。一死二塁から外崎にカウント1―2から4球続けたフォークを左翼席に運ばれた。ベンチで見守った藤本監督が「7回だけやね。打った外崎がうまかった」と語ったように、それまで西武打線の誰一人として対応できなかったフォークを仕留められた。

 相手先発エンスから味方打線が援護点を奪えない状況で与えた先取点は、リズムを微妙に狂わせた。直後に四球、安打で走者を背負うと、守りのミスも出て3点目を献上。獅子の勢いを止められず、その後も森に適時打を浴びた。

 結局7回途中111球、4失点(自責2)で無念の降板。「0対0で試合が進んでいく中、ホームランだけは防がなければいけない場面で一番悔いが残るボールを投げてしまった。あの一球が試合を決めてしまった」。7年連続2桁勝利に王手をかけながら今季5敗目を喫し、潔く責任を背負い込んだ。

 この日は今季中に海外FA権を取得見込みの千賀の投球をチェックすべく、メジャー9球団が視察。ナショナルリーグのある球団は最高幹部を含む3人体制で見守った。球団数、視察人数、要人クラスの現地入りの機会が格段に増えてきた。

 優勝争いが佳境を迎えるのと同時に、NPBの枠に収まらない鷹のエースを巡る周囲の動きも顕著になってきた。国内外で千賀に注がれる熱視線は増すばかり。今こそ真価を証明する時だ。