【注目! 令和の健康新技術】健康の維持・増進を目的とする温泉療法は、具体的にどのようなシステム、環境下で行われるのか欧州の充実した手法と、日本で稼働している施設をご紹介しよう。

 日帰り温泉に漬かるのと、温泉療法はどう違うのだろうか。温泉の特性を活用して症状改善や健康増進を図る自然療法が温泉療法だ。欧州の温泉施設では、単に湯船に漬かるだけでなく、湯気を吸引したり、泥をパックにしたり、強い水圧で放水して圧注浴に用いたり、浴槽内でジェット水流を用いて気泡浴にしたりするほか、飲泉、足浴、手浴、シャワー浴なども組み合わせる。

 こうした施設の設計者は静水圧、血流など医学的な専門知識を持っている。また施設には温泉療法専門医、指導員がいて、療養者一人ひとりに合わせてプログラムを作ってくれる。療養期間は2~3週間程度と長期にわたるため、温泉保養地には楽しくウオーキングできる公園が整備されていたり、コンサートや演劇、カジノなど長く滞在する療養者を飽きさせないような仕組みがある。日本の日帰り温泉施設とはかなり異なる、健康管理のための総合施設である。

 そうした欧州流の温泉療法を日本で推進しているのが健康・医療ベンチャーのウェルネスデベロップメント(東京都中央区)である。公共団体などと提携して施設を造り、地域住民に利用してもらう習慣を根付かせることで健康づくりを推進する事業などを進めている。例えば2011年にオープンした「富山市角川介護予防センター」(富山県富山市)だ。

 日本初の温泉を活用して楽しく無理なく運動しながら、本格的な健康寿命延伸を目的とした、介護予防を実践する健康センターである。富山市が高齢者対策として計画を始め、同社が企画、設計、研修、開業業務、効果検証、指定管理での運営などを手がけている。温熱療法、水中運動療法、陸上運動療法、パワリハ、栄養指導、気候療法、パーソナルケアを専門指導員によって効果的に組み合わせて受けることができるドイツ流の健康施設となっている。

 1回だけビジターとして利用してみることも可能だが、富山市の健康事業や予防事業で利用したり会員となったりして定期的に通うスタイルが中心の施設である。ちなみに1回だけのビジター入館料は1570円。会員のコースは種々あるが一般的なエンジョイ会員で月額7330円となっている。

 次回は温泉の代わりに海水を使った日本での療法に注目する。