【石原結實 食の金言】人の世に 楽しみ多し しかれども 酒なしにして なにの楽しみ
など、酒に関する多くの短歌を残した無類の上戸、若山牧水(1885~1928)は、「酒に別腸あり」とばかりに毎日1升(1・8リットル)以上の酒を飲んだ。1925(大正14)年、秋の九州旅行では毎日、朝4~5合、昼5~6合、夜1升以上、つまり1日平均2升以上も飲み続け、51日間で総計1石3斗(234リットル)飲んだというのだから恐れ入る。
43歳で亡くなった時の死因が「肝硬変」だったのは当然か。
「遺体は臭わず、顔には死斑1つなかった」と主治医が記した遺体は、友人・知人が葬儀に集まってくるまで約1週間安置されたというが、腐敗はなかった由。「死体のエタノール漬け」の効果である。
しかし、同じ大酒飲みでも、長生きした有名人もいる。ルノワールの日本人弟子として有名な梅原龍三郎画伯(1888~1986)は大酒飲みの父親の影響で、酒を4歳の時から飲み始め、青年期からは相当量を毎日飲んだというが、97歳の天寿を全うした。
「私の健康法」の中で、健康の秘訣を
①腹の減るのを待って腹9分目に食うこと
②寝酒を少量飲んで、なるべく熟睡すること
③日が長くなれば午睡すること
と述べている。
大酒飲みの人でも「少食にする」「良質の睡眠をとる」という健康の原則を守れば「酒は百薬の長」になる、という証左である。
◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「コロナは恐くない 恐いのはあなたの『血の汚れ』だ」(青萠堂)。












