女子プロレス「OZアカデミー」11日の東京・後楽園ホール大会でダイナマイト関西(47)が引退試合を行う。ついに30年のプロレス人生に別れを告げるが、本紙にその胸中を激白。引退試合の相手・尾崎魔弓(48)、ライバルと断言するアジャ・コング(46)への思いから、引退へつながった2つの病、さらには引退後のビジョンまで語った。

 ――引退試合は目前だ

 関西:今はすっきりした気持ち。やりきった実感があります。

 ――ジャパン女子で同じ1986年にデビューした尾崎と戦う

 関西:最初の寮生活から一緒で、若いころはよくケンカしました。原因は「お前があの技を使うなよ!」とかプロレスのこと。尾崎は戦友です。すべて出しきってお客さんに「辞めるのはもったいない」と思わせたい。

 ――絆は強い

 関西:アジャからも「全女(全日本女子プロレス)出身ならそんな関係はあり得ない」と言われました(笑い)。

 ――JWP時代はアジャと対抗戦で激闘を展開

 関西:アジャとの戦いは一生の宝物です。「負けたら団体が潰れる」「死ぬかもしれない」と思いながらリングに上がっていました。

 ――記憶に残る試合は

 関西:アジャからWWWAのベルトを取った試合(1995年8月30日、大阪府立体育会館=同王座史上初の他団体流出)です。JWPのころは会話をするのも嫌でした。今でもどこか壁がありますから。アジャに弱いところを見せたくない。尾崎とアジャ、2人に後を任せられるから、引退できる。

 ――他に引退を決めた理由は

 関西:30周年という区切りもあるし、ダイナマイト関西として続けるのはそろそろ限界かなと。

 ――病気にも苦しんだ

 関西:きつかったのは対抗戦終盤から発症した膠原病ですね。もう20年近い「付き合い」です。(2012年に摘出手術を受けた)肺がんは1年休んだら元に戻れた。でも膠原病は手足がリウマチみたいになって力が入らず、相手をロープに振ろうとしても抜けてしまったりしましたから。

 ――引退後の計画は

 関西:“昼間の人”になりたい(笑い)。青年実業家とか。“ダイナマイト関西2世”を育てて、OZに送り込むのもいいですね。

 ☆だいなまいと・かんさい 本名は鈴木智江子。1969年12月4日生まれ。京都市出身。86年8月17日、ジャパン女子プロレス後楽園大会でデビュー。JWPからフリー、OZアカデミーと所属を変えながらトップレスラーとして活躍。得意技はスプラッシュマウンテン。173センチ、93キロ。