ノルディック複合男子で北京五輪個人ラージヒルと団体2種目銅メダルの渡部暁斗(33=北野建設)が、来季も現役を続行する意向を示した。

 30日に都内で取材に応じ「すぐにやめるということはない。(今後の)目標としては世界選手権(個人)の金メダルをまだ持っていないので、取りたいという気持ちもあるし、ワールドカップ(W杯)で勝ちたい。そこに向かうのは間違いない」と語った。

 今季は五輪で2個のメダルを手にしたが、W杯では表彰台に立つことができなかった。シーズン終了後は「パフォーマンスの質に満足できることが少なくなっている中で落胆も大きくなってきている。それを超えていかないと自分の求めているものにはたどり着かないと思うと、簡単に一歩踏み出せるとは言えないメンタルの状況だった」。

 それでも、周囲とコミュニケーションを重ねることで「ちょっとずつ自分の限界を超えることにチャレンジしようかな」と考えるようになったという。

 ただし、渡部暁は競技に対するアプローチがこれまでと異なることを強調する。「100%自分のために時間を使うのではなく、ある意味1回終わったというか今までの渡部暁斗としては集大成でリスタートという感じ。家族との時間を増やしたり、練習環境や頻度も変わるだろうし、その中でどれだけ高めていけるかを模索するのも挑戦」と言いきった。

 北京五輪は金メダルを目標に掲げ、そこに向かってパフォーマンスを高めてきたが「今回はそっち(目標とする結果)を先には考えられなさそう。自分のパフォーマンスの質を高めて、その先に結果が付いて来れば」と話す。

 続けて「以前のようにパフォーマンスを上げた先に大会が続くイメージじゃないと自分じゃないなと。やり方を変えつつ、競技に向かう姿勢は本来の自分に戻りたい」と〝原点回帰〟を誓った。

 W杯通算19勝は日本最多タイ。渡部暁は「パフォーマンスを高いものにして、その先にあるのはW杯の勝利数の更新」。さらに「その先に世界選手権の金メダルだったり、自分のモチベーションが続いていけば五輪の金メダルも出てくると思う」と、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪にも意欲を見せた。