スピードスケート女子の小平奈緒(35=相沢病院)の目には涙が浮かんでいた。
開幕まで残り40日を切った北京五輪。1500メートルの代表枠は3で、すでに高木美帆(日体大職)と佐藤綾乃(ANA)が確実にしていたことから、代表選考会(長野・エムウェーブ)で高木美、佐藤を除く最上位に入る必要があった。
そんな中、31日に行われた女子1500メートルでは1分55秒56の3位に食い込んだが、高木菜那(日本電産サンキョー)に敗戦。同種目での五輪を逃した。しかし、小平は「自分のベストを尽くしたのですごくスッキリ」と心境を述べた上で「本当に菜那選手が気合の入った素晴らしいレースをしているのを見て、これで本当に安心して3人に1500は託せると思った。五輪が本番だから、3人で表彰台を独占してねっていうことを伝えた」とエールを送った。
昨季は股関節痛に悩まされたものの、今季は見事に500&1000メートルで五輪切符を獲得。どん底を味わったからこそ「みなさんの目の前で滑れることの幸せを感じました。多くの人の支えのもとでまたスケートができるということが本当にうれしくて、それがすごく私自身の生きがいにもなっている」と涙ながらに感謝の言葉を伝えた。
北京五輪では500メートルで2連覇の期待がかかる。「また氷の上で、それも五輪という特別な舞台で自己表現ができるということに本当にありがたみを感じながら、1ストローク1ストロークにこの思いを刻めたら」。氷上の哲学者がまた1つ新たな境地に立った。












