「東の帝国」に今オフ、嵐の予感が漂う。ヤンキースからFAとなったコディ・ベリンジャー外野手(30)の周辺が騒がしい。昨季まで打線の主軸となっていたフアン・ソト外野手(27)がメッツに流出した後の穴を埋めたもののオプション行使となったことで、今オフの再契約を巡る情勢は一気に不透明になりつつある。メッツ、フィリーズ、そして古巣のドジャースまでが巨額を提示して獲得に動いていると伝えられており、NY残留は決して確実ではない。

 ロースターの高齢化が進むヤンキースにとって再契約の判断は容易でなく、仮にベリンジャーを失った場合の「次の一手」を現段階で用意せざるを得ない状況となっている。

 そこで米メディア「ファンサイデッド」が報じたのが、ヤンキースが極秘裏に描く「ベリンジャー退団時の保険プラン」だ。そのターゲットはツインズで22年球宴出場歴も誇るスター選手のバイロン・バクストン外野手(31)だという。

 ツインズはロースターの解体を進めており、バクストン自身も状況次第ではトレード拒否条項を放棄する意向を示したと伝えられている。シーズン中には拒否の姿勢を崩さなかっただけに、球団の再建ムードが加速している証拠と言える。

 バクストンは「故障が多い」とされるが、健康なシーズンを送れば破壊力抜群だ。2025年には126試合に出場し、打率2割6分4厘、35本塁打、24盗塁という主力級の数字を記録している。三振率の高さ(28・6%)は課題とはいえ、中堅守備は平均以上でWAR4・9を叩き出す実力者。年平均1500万ドルで2028年までの契約という〝コスパの良さ〟も魅力で、ベリンジャーの完全な代役とまではいかないかもしれないが、打撃と守備の総合力は十分だ。

 さらにツインズ側には急速に交渉力を失いかねない事情がある。ジョー・ライアン投手(29)やパブロ・ロペス投手(29)もトレード候補に挙がる中、主力放出が続けばバクストンも売却モードに入る可能性が高い。球団売却絡みの財政事情も影響し、ツインズは選手の価値を市場で最も高く売れるタイミングを探っている。

 そしてヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(58)は、こうした市場の〝ほころび〟を見逃さないタイプだ。過去10年でツインズとは複数のトレードを成立させており、相性の良い取引相手でもある。前出の「ファンサイデッド」は「すでにヤンキースはオファーを準備している可能性が高い」と指摘した。

 もしドジャースがベリンジャーを〝強奪〟する最悪の展開となれば、ヤンキースは即座にバクストン獲得へ動く構えだ。今オフのストーブリーグでインパクトを残すであろう〝サプライズ移籍〟が成立する可能性は、決して低くない。